奴隷解放
席に戻ると、楽しそうに会話しながら食事をする女性陣が目に入った
仲良くなるの早いな
「おっす。ただいま。」
「あっ、ドラン!!お帰り~。今度は交代ね!!」
「おう。行ってら。」
交代でアリスとシンはが食事を取りに行く
え~また二人きりかよ……。
正直、なんかさっきからチラチラ目線がする
突っ込まんぞ。俺は
「あの、すみませんでした……。」
「何が?」
何が?
「私が、その、勘違いしてました……。」
「何の?」
何の?
「貴方が奴隷を………。シンを買った理由です…。」
「はぁ………。」
飯うまい
「その、てっきり私達は………そう言う事やあぁ言うことをするのだと思ってました。でも、違うんですよね?」
「勿論だ。」
俺はもう、女に興味は無い
最近は興奮処か何か達観した物まで見えるんだぞ?
あっ、勿論そっちの毛は生えてない
試したこともないし、試すつもりもない
「今、私が……。私達が行ってる運動をご存知ですか?」
「集団並びに個人ストーカー?あと暴行罪。」
「ちっ、違!……くないです……。そうじゃなくて!!」
うん。違くは無いよなぁ
「今、我々は奴隷解放運動をスローガンに行動しています。」
「リン○ーン?」
「リ○カーン…………?」
奴隷解放運動と言えばリンカー○。
まぁ、政策だけどな
「それで?」
「あっ、はい!!我々は奴隷解放運動を行ってます。しかし、ただの奴隷達を解放したいんです。間違っても犯罪奴隷以外です。犯罪奴隷は論外です。」
「まぁ、そこはな…。」
「我々は身受け奴隷や、奴隷から産まれた子供……つまり第二子奴隷の解放をスローガンに行動しています。」
「ご苦労なことで。」
「あ、貴方はどう思って居るんですか……?奴隷達のこと……?」
「可哀想な人。」
そう、可哀想な人だ
「なら、この運動の意味がわかると思います!!」
「だが、めんどくさい。」
奴隷が可哀想?アホが。
可哀想な人なのは可哀想じゃ無い人からみた光景だ
可哀想な人とは、自分よりも劣っているから可哀想と思える
簡単に言えば、優越感を得ている人だ
奴隷を解放すると言ったところで、だからどうなる?
最初は差別、迫害、知恵のない者からすればいきなりサバンナに全裸で放り出されるような物だ
奴隷を解放する。実に素晴らしい事だ
だから虫酸が走る
「人を救う事をめんどくさいとは!!」
「救うって言ってる時点で間違いなんだよ。」
「なら、黙って永遠にこき使われろと言うのですか?」
「救ってどうするんだ?救って何をするんだ?」
俺がシンに話した事
働かせて、金をやる
食料の問題を思い出して欲しい
今、飢えてる人が居る
その人は今、自分が持ってる財布の中身の10万円を払えば1ヶ月は生きていける
ただし、見知らぬ人間にだ
払うか?普通。
俺は絶対に不可能だ
だが、100円ならどうだろう
10万のうちの100
微々たる物だ
これでも、1日は生きられる
だから募金をする
して、終わりか?
その日1日生きられたとして、明日は?明後日は?
それが不透明なら、救ったとは言わない
救ってやった……だ
金で自分の満足感を買ってるだけ……と言うやつも居るくらいだ
「何をするかじゃない。何をさせるかだ。そいつを救いたいならな。」
「な、何を……。」
「ドランー?ただいまー!!」
アリス達が帰ってきたので、話は中断した
募金とは何か……。有名な話ですね。
100円なら払うが、10万円は払えない。それが私なりの答えです。




