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シン
ドラン様の言ったことを理解すると、涙がポロポロと流れてしまった
「どうした?寒いのか?」
「違います……。ごめんなさい……。ごめんなさい…。」
ドラン様が少し歩くペースを落とし、私を気遣ってくれた
それが、嬉しい
「どうした?何か気にさわることでも有ったか?」
「違います……。優しく、してくれて、嬉しいんです…。 ありがとうございます……。」
今日、ドラン様に買われてから、色々な事が有った
私が今までに見たことが無いくらいの高級なご飯
とても強い魔法
それでも、優しい
「そうか。辛かったんだな……。」
「はい……。何も、無くて……。でも、色々欲しくて…… 。優しくして、貰えて……。うっ……。」
そのまま大泣きしてしまった
自分で、自分が泣いてる事が解る
でも、止まらない
目から出る涙を止められない
止めようと思っているのに、止まらない……。
「少し休憩しようか。」
「…………っ、うっ……。はい……。」
「なんか休憩できる場所…………。」
少し背中が揺れて、辺りを見回すドラン様
「よし、ここだ。」
そう言って私を気遣ってくれたのか、そのまま建物に入った
遅れてすみません…。シン




