シン
ドラン様が手を出してくれた
立ち上がろうとするのを手伝ってくれるようだ
でも、動けない
太股の間が濡れてるのが、わかる……。
「大丈夫か?」
「はぅ……。ごめんなさい……。ダメです………。」
変な声をあげながら、ドラン様の手に体を預ける
暖かい……。
「仕方ない。背負うから背中に乗れ。」
「えっ!?は、はい………。」
私は、完全に歩けないので、黙って背中に乗らせて貰う
初めてのおんぶが、おしっこ漏らした状態なんて……。
ドラン様は、王女様と会話して、歩いて去るみたい
うぅ、揺れるたびに、気持ち悪いよ……。
「明日は洋服やその他色々買うからな。今日はとりあえず 我慢して寝てくれ。」
「っ………。はい……。」
私の事を考えてくれたのかな?
でも、なんで私なんか……。
「あの、ドランさ……ん。」
「なんだ?」
わたしは、息を整えて、話す
「あの、…………。私、人狼です。」
「らしいな。」
「恐くないんですか?」
「全く。」
本当に、なんでもないというかのように、そう言った
言ってくれた……。
「前々恐くない。」
「………………ありがとうございます………。あの、ドラ ンさんは私をどうするのですか?」
これだけは、聞きたい
これから先、何が有っても、この人からは離れないと決めたから
私を、怖くないと言ってくれたから…。
「さっきもいった通り、護衛だよ。」
「でも、私なんかが居なくても、さっきみたいに……。」
「俺が居ないときも有るだろ?」
私に、出来るのかな…?
………でも、やっぱり……。
「私に、あんな価値は無いです………。」
「価値が有るかどうかは俺が決める。少なくともあのおっさんや女よりはマシな生活を送らせてやる。」




