シン
「断る……。って言っても素直に聞いてくれるのか?」
と、ドラン様が聞きました
「いいえ。勿論粘らせていただきます。」
でも、聞いてくれないようです
私の事なのに、なんだか凄く、緊張した感じが伝わります
「いくら王女様と言えど、簡単に譲るわけにはいかないな。」
「では、どうすれば?」
「そうだな。まずゆっくり180°ターンして自分の母国に帰ってくれ。そしたらちゃんと布団を温かくし て眠って忘れろ。」
「あらあら、随分と面白い冗談ですね~。」
目線が、冷たいです!!
それとドラン様、挑発しないでください!!
私が止めようと思って口を開いた瞬間
「はっきり言ったほうが良いか?売る気は無い。 さっさと帰れ。お家に帰れ。今すぐ消えろ。死ね。 」
「全くもって愉快な人ですね……。」
ま、また怒らせてる!!
「なんだ?お前は罵られて喜ぶタイプか?よっぽど お前の方が愉快な人格をしてるよ。ほら、地面に頭 を擦りつけながら頼んでみたらどうだ?」
「一国の王女をここまで苔にするとは……。どうなるのか解ってますね!?」
「煩いぞ。帰れ。もしくはこの場で醜く爆ぜろ。爆ぜろ。爆ぜろ。爆ぜろ。死ね。」
後半は嫌味とか通り越して悪意満々じゃないですか!!
「これを見ても、まだ平然としてられますかね?」
王女様がそう言うのが聞こえた
辺りを見回すと、人がいつのまにか集まっていた
剣や槍をもった人達が、私とドラン様、そして王女様の回りを囲っているようだった
「今なら許してあげてもよろしいですよ?誠心誠意 の謝罪を…。」
「それはフラグだぞ?死ぬのか?死にたいのか?」
「どうやら本当に頭が可笑しいようで…。シンさ ん。私と来なさい。今の状況を見ればわかりますよね?」
そう言って私においでと言う王女様
ど、どうすれば……って!?
「『吹き飛べ愚民共。我は独裁者。我が1にして全。愚民は今すぐ頭を地につけよ。愚者は醜く爆ぜろ。』」
次の瞬間、王女様以外の人達が倒れた
「グギャ!?」
「『俺の後ろに立つのは危険だ。』」
「ギィァッ!?」
後ろからも悲鳴が!?
急いで後ろを振り向くと、後ろの人達も倒れていた
ドラン様は、王女様に近づいて何かを話すと、王女様が顔を蒼くするのが見えた
もしかして、脅してるのかな?
ドラン様は、恐い人?
気が付くと、地面に座っていた
「行くぞ。シン?」
ドラン様が近くに戻ってきた
でも、私が話せたのは
「ひぅ……、あぅ、……。」
変な声だけだった




