鍋
美味しかった
びっくりした
そこからは手が止まらなかった
私は黙って受け取ったお皿の中身を空にする
ドラン様は毎回よそって渡してくれる
もくもくと、私は鍋を食べた
「そういや、何か要望とか有るか?」
「要望………ですか…?」
「必要な物とか。服とかは明日行くが。」
ふと、思いついたようにドラン様がそう話した
今、私が着ているのは、ワンピースの洋服
少し、サイズが大きいけど、この服なら1年くらいは持つと思う……。
急にドラン様が扉を閉めた
「なにもしないって。安心しろ。」
「ご、ごめんなさい……。」
怒られる…と思って身構えてしまった…。
「良いから食べろ。お腹イッパイ食べとけ。」
「はい。ありがとうございます…。」
私はまた黙って鍋を食べた
もくもくと食べ続けると、鍋の中身もすっかり無くなってしまう
「…………あの、何してるですか?」
「鍋の中にある夢を掴もうとな……、」
私はジュースを手に持ってドラン様へ聞くと、変な返事をした
あっ……もしかして……。
「ご、ごめんなさい!!沢山食べてしまって……。」
「いや、前々良いよ?ただ暇なだけだから。」
そう言うと、鍋の中をかき回すてを止め、
「ふむ。夢は無いようだ。」
「そ、そうですね……。すみません…。」
「謝る必要は無いから。」
そう言いながらドラン様も飲み物を飲む
「そろそろここから出るが、その前に幾つか聞きた いことが有る。」
「はい。」
「お前、本当に女の子だよな…?」
「は、はい。そのはずです……。」
オークションでも、女性と言ってたし、男だと思われるとは思わなかった…。
「いや、悪かったな…。そろそろ泊まるホテルへ行 こう。」
「…………はい。わかりました。」
あっ、……もしかして…。やっぱり、そう言うことなのかな…?




