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休憩
そう話すと、シンが背中で震えた
「どうした?寒いのか?」
「違います……。ごめんなさい……。ごめんなさい…。」
泣き出した
えっ?ちょっとそれは予想外だ
「どうした?何か気にさわることでも有ったか?」
「違います……。優しく、してくれて、嬉しいんです…。ありがとうございます……。」
やっぱり昔ロクな目に遭って無かったからか……。
「そうか。辛かったんだな……。」
「はい……。何も、無くて……。でも、色々欲しくて……。優しくして、貰えて……。うっ……。」
そしてそのまま大泣きしてしまった
ここは大通り、しかもホテルのある方へまだ半分のところ
思いっきり目立つ
なんだなんだと人が集まる
えっ?これ………どうしろと?
「少し休憩しようか。」
「…………っ、うっ……。はい……。」
「なんか休憩できる場所…………。」
そう思って辺りを見回すと、休憩の看板がかかった建物が
『完全個室。外に音が漏れないように加工済み。時間帯、泊OK』
漫画喫茶か何かか?
何にせよ、ラッキーだ
「よし、ここだ。」
そのままシンを背負いながら、俺は休憩の看板がかかった建物に入った




