夜道
料亭でお会計を済ませ、シンがとてつもなく値段に驚いて居たが、俺が最も驚いている
「金貨、30枚ですか……。」
「だな。一ヶ月の食費にはなるな。」
「私の家なら二ヶ月は持ちます……。ごめんなさい……。」
「謝らなくて良いから。旨かったか?」
「はい、とっても美味しかったです。」
それなら良い。
「じゃあホテルに行くぞ。」
「はい。わかりました。」
夜道をてくてくと黙って歩く
月が出てるため、それなりに明るいが、やはり少し暗いな
「『明かり』」
魔術。とっても楽。
魔法を行使したので、目の前に握り拳くらいの大きさの光の玉が出る
「ご主人様は魔術も使えるのですか…。」
「ドランな。お前にも今度教えるよ。」
と言っても、俺はこの世界で習ったわけではないが…。
だいぶ明るくなったため、夜道に居なくても良い物まで見える
「こんばんわ。なんか用か?」
「あら、気がつきました?」
「とっくに。」
道の脇からこちらを覗く女が1名
………こいつ、確かオークション会場で…?
「先に名乗らせていただきますね。私は隣の国の第二王女、シェキナ・ベルと申します。単刀直入にお願いします。その娘を譲って下さりませんか?」




