ホテル
今回の宿は、普通の宿だ
宿と言うか、ホテルと言うか。少なくとも、ラブは付かないのは前もって確認済みだ
「うおぉお!?ひろ~い!!」
「暴れるな……。」
部屋は4階の最上階の最高級室、つまりスイートルームだ
理由は簡単。中での心配が要らないこと。
オークションには俺一人で行くので、その間アリスの身辺を守れるようにしたつもりだ
そのお陰かは知らないが、先程の男達もホテルに入るのを見たあとはそそくさと退散していった
流石にホテルには入れないようだ
スイートルームの一泊のお値段は、金貨10枚ちょっととかなりお高く、庶民なら1ヶ月分の食費にはなるだろう
王族ですら止まることのあるスイートルームだけあり、部谷は大きく、ベットは無駄にでかいのが2つずつ
このベットだけでプロレスが出きるぞ…ってもうやってやがる
「凄い!!跳ねる!!凄~い!!」
ベットのスプリングが軋む音もしないように出来ているのか、トランポリンのようにピョンピョンしても全然大丈夫そうだ
「にしても、広いな。流石スイートルーム。」
ベットの他に、ふかふかのソファーと高級そうなテーブルのセット
明かりはシャンデリア系
窓は大きく、町が一望…って訳でもないが、見下ろす事が出きる
天井までの高さも無駄に有り、軽く10メートルはある
ダンス会場かなにかかよ。
他にも、風呂やらトイレやらは綺麗で大きく、風呂に至っては露天風呂と室内用で2つ有った
全くもって何をしたいのか分からん
風呂なんて1つで充分だろうに。
まぁ、折角有るのだから使わない手は無いので、後でゆっくり入ろう
「ドランはピョンピョンしないの?」
「子供じゃ無いんだよ。」
「私だって子供じゃ無いよ!!」
「はいはい。さいですか~。」
適当にあしらいつつ、テーブルの上に先程買った物をアイテムボックスからだして置く
時刻は6時を過ぎたばかりだが、8時には待ち合わせの予定なので急がなくてはならない
まず、宿は確保できた
次に飯………か。
「先に飯にしよう。そのあと、俺はオークションに行ってくるからここに居ろよ。」
「う~ん。わかった…。」
飯か。確かこのホテルにも飯を食うところは有ったな
「4階の反対側にレストランか。そこにしよう。」
「わ~い!!レストラン!!」
このホテルから動かなくて良いのは嬉しいな
まず、先程の男達。
ホテルの出入り口を完全に密着してやがる
明らかに警戒されてるな
まぁ、奴隷商館であれだけ大手を振ればそうなるかもな
ので、今日はこのホテルからはアリスを出さない
俺が男達にどうこうされるなんて事は100%有り得ないが、アリスを拐われては困る
首もとにナイフを押し付けた状態なら…。対処のしようが無いわけでは無いが、あとでアリスとの関係が捻れそうだ
と言うわけで、アリスはここから出しません
でもまずは腹ごしらえからだな
俺はソファーから起き上がり、レストランへ向かった




