奴隷6
「許可とれましたよ、旦那。」
「助かる。」
俺は約束した通り金貨を一握り渡す
これだけで20枚くらいにはなるだろう
まさに喜色満面の男は鍵を持って俺に付いてくるように言った
俺はそのまま通路を歩き、一周回るように反対側へ向かった
「ここですね。一応の確認として言っておきますが、手を出したりしないでくださいね。勿論、相手は出せないようにしてありますが。」
「解った。」
「何か言われても、自己責任でお願いします。」
男が鍵を開けて、一応ノックしてから入る
中は、普通の部屋だ
先程見ていた壁は、こちらから見るとただの白い壁だった
たぶん、マジックミラー的なやつだろう
「どうも、こんにちは。俺の名前はドランって言う。とりあえず、よろしく。」
「………………………。はい。」
俺はベットの横のイスに腰を下ろして、少女を見つめた
服は普通。顔に怪我の跡なし。服の下にも怪我はない。
精神的な虐めか?
「とりあえず、名前を教えてくれないか?」
「……………シンです。」
「シンか。可愛い名前だな。」
名前を誉めると、初めて俺の目を見てくれた
「お父さんとお母さんに名付けてもらいました。」
「そうか。大事な名前なんだな。」
「はい!!…………大事、です。」
すると少女はまた目を伏せ、布団に包まってしまった
「私を買いに来たんですね。無理です。」
「どうしてだ?嫌か?」
「買えません。私にはとても高い値段が付くそうです。」
完全に目を伏せ、布団を抱き締めるように小刻みに震えた
「なんで、私にこんな高い値段が付くんですか…。なんで私に、私に、私!!まだ、お母さんに…………。」
「ひとつ、聞きたい。俺と一緒に来れるとしたら、俺の言ったことを守れるか?」
「………。買えたら、ですけどね。」
「どうなんだ?」
「守ります、奴隷ですから。」
十分だな。
「解った。今日の夜、また会おう。その時に細かいことを話そう。」
「…………………。」
少女は黙ったまま、無言で俺の背中を見送った
名前をエリーからシンへ変更。
って言うか、仮名から直すの忘れてた…。




