奴隷5
確かに商品だ
毎度毎度このような施設に入る度に感じる人は、やはり人なのだと言う悟りに近い感情
そこは、部屋のひとつひとつを見て回れる廊下だった
ひとつの部屋の大きさはそれなりに大きく、中にはトイレや風呂、簡易のキッチンまで常備していた
このセカイノ奴隷は貴重だ
そもそも、庶民のての届く高さではないが、そもそも数が少ない
奴隷に落ちるのは大きく分けてふたつ
犯罪をするか、売られるか………だ
第二子奴隷と言う制度も有るが、概ね後者しか売られない
犯罪者は、国の運営で行われている鉱山へ行くのが常識だ
鉱山の内容は、劣悪な環境、最悪の待遇、糞のような飯、………。
まぁ、鉱山へ行くほどの犯罪をする時点で、情けの必要は無いのだが
んで、売りに出させる奴隷は、おおよそ貧しい農民の子供だったりする
これらの奴隷は、それなりの待遇を得ることを条件に売られるので、不遇ではあまりないようだが、売られる時点で不遇だ
しかし、ここに置かれる商品はまた違う
売られたのは上の犯罪だったり、売られたりだが、その中でも価値のあるものを選んでいるらしい
犯罪者の場合、隷属の呪いのような物をかけ、絶対に逆らえなくなるような物が有る
これで買っても安信安全な訳だ
犯罪者以外の場合、隷属の呪い付きはあまり出回らない
しかし、売る側が少しでも高く売りたいときは隷属の呪いをかけて売る…そうだ
ここに居るのは、殆どが隷属の呪いを付けることが出来るらしい
俺は適当に他の商品を見ながら通路を歩く
中の商品は思い思いの行動をしながら過ごしている
風呂に入る女奴隷、部屋のなかで軽い筋トレをする男奴隷
ひとり、トイレの中で自慰をする………男?
「………………………。」
「こいつは珍しい奴隷でしてね、見た目は完全に女性で、胸も有るし、子供も生めるですけど、下半身にアイツが有るんですよ。」
「誰が買うんだ?」
「まぁ、マニアってヤツです。ただこいつ、かなり精力が高くてですね…。」
あまり見たくもない物を見てしまった
とっととその部屋を離れて、俺達は目標の部屋の前へやって来た
「こいつですね。人狼の……名前はシンだそうです。」
「……………。」
中に居たのは、まだ幼さの残る少女だった
ベットの壁際に寄りかかり、足を体育座りのようにして、毛布をかけて居た
頭には白い獣耳が有る
「話すことは出来るか?」
「えぇ、少し前まで普通に暮らしてたそうです。一般教養は有るそうです。」
「あって話がしたい。出来るか?」
男にそう言うと、あからさまに厳しそうな顔をして
「まぁ……。難しいでしょうね……。」
「……………………。」
俺は黙って金貨を数枚渡す
「出来れば、もう十枚だ。」
「取り合ってきます。任せてください!!」
素直なヤツだ。
男が小走りに立ち去り、俺は少女の方を向き直って見た
「……………………。なるほど………。面白い。」
少女が見つめるものに、俺は興味が湧いた




