奴隷3
「さてと、馬車を借りにいくぞ。」
「えっ!?」
「何驚いてんだよ?」
今の目標は王都へ向かうこと、こんなところで道草を食ってる場合じゃない
とっとと王都へ向かって、居場所の確保、暮らしていけるだけの賃金、人脈作り、やることは山盛りだ
「で、でも!!このまま放って置けないよ!!」
「だがな、それだけしてやる理由もない。悲しいが、それが現実だ。」
「助けられないの…?」
ここでハッキリとノーと答えられれば楽なのだが、裏方法を使えば用意に…出来てしまう
「不可能ではない………が、それからどうする?」
買うのは簡単だ。可愛そうだからと言って飼うのは、だ
そこからどうなるか?
ペットの例を見てみればわかる
拾った子犬…。最初は良い
だんだん飽きて、最後は目向きもしない
それをヒトでやるのは許せない
買うのは良い。飼うのは、ダメだ
「最低でも自分ともう一人の人の暮らしを支えていけるようになる必要がある、それが出来るか?」
「大丈夫、私がしっかりと稼ぐ!!」
「稼ぐだけか?それならまるでお前が奴隷じゃないか。言い方は悪いが、買ったらどう使う?」
奴隷………と言えば軽くも重くも感じるが、値段はバカみたく高い
人一人の値段でもあるから安くも有るが……。
「ドラン、私は……。やれることをやる、」
「…………………そうだな。」
やれることをやる……か。懐かしいな
あれは俺の台詞でもあったが、えらくアイツは気に入ってた言葉だ
出来ないことは出来ないが、やれることはやる
それが出来るヤツのやらなければならないことだ
「わかった。俺は話を聞いてくる。お前は……。そうだな。果物やお菓子でも買ってこい。」
「な、なんでそうなるの……?」
「お前には見せられない内容だから。菓子を買ってこい。1時間後にここで待ち合わせな。」
俺はアリスに金を渡して、先程男が入って行った建物へ向かう




