《エリス》眠る少女
すやすやと眠る少女を眺めるのはこれで4回目だ
最初の1回目は、かなりの距離を取って眠られ、こっそり覗きに行くと刺された
その時の申し訳なさそうな顔を見ると、許しちゃうよね。うん。
次はその次の日、寝るときに様々な理由を押し付けて無理矢理隣で寝てもらった
私の上着だけを羽織った彼女の無防備の度合いは、私の心をへし折って叩き潰して暖炉に焚べて土に埋めてその土地をエクスプロージョンする並みにやばかったが、どうにか耐えた
その日は彼女も眠って無かった
緊張していたのかもしれない
それは悪かったなと思い、お昼頃に休憩と称して昼寝タイムを取った
今度は付きっきりではなく、距離を取って見た
寝てなかった為か、どうやらすぐに眠りに着いたようで、今度はバレないようにこっそり覗きに行った
すぐにバレた
とうとう泣かれてしまい、とても慌てた
覗くのが悪かったと思い、謝るといつのまにか刺されていたらしくて、逆に謝られた
どうにかしないと、っと思い、その日は夜までお話をした
女子会だ。内容は苛烈な物だが女子会には代わりない
彼女は過去の事は何も喋ってくれなかった
いつか、話してくれるだろうし、それまでゆっくり待とうと思う
その日はとても楽しかった
これからの予定や、何をしたいかを飽きることなく喋り続けた
90%は私が喋り倒したが、文句を言わなかったし、大丈夫だと思う
その日の夜、彼女から一緒に寝て欲しいと言われた
かなり緊張しながら、あまり喋らない彼女がビクビクしながら誘ってくれた
彼女は私を殺しに来てると思った
しかし、するまでは死ねんと思い、鼻血をなんとか堪えて一緒に布団に入ると、寝た
なんて囁こうか悩んでいる間に、寝られた
私の想像していた寝るとはまた違ったが、本人と少し赤い顔を見ると、許しちゃうよね。うん。
当人は寝た降りだったのかもしれないが、私も寝た
眠れなかった
背中に暖かい温もりを感じながら眠れるわけなかった
結局、私は4日連続で寝てない
ねっころがり、ずーっと空の星を眺めながら妄想した
彼女の手を握って海辺を走り回りたい
麦わら帽子が似合うだろうな……………。あと白のワンピース
日焼け止めを塗るのも忘れてはならないな
身体中をなめるように塗りたくりたい。塗りたくられたい
お肌にかなりの悪影響を及ぼすだろうが、彼女の笑顔の為なら死ねる
翌朝、寝ぼけた彼女の態度は一生忘れない
……………。そう、私はパートナー。
彼女の嫌がることはやったらダメだよね、嫌われたくないもん
でも、…………。これは仕方ないよね……。
「起きろぉおぉぉ!!」
「ミャァァァッ!!」
寝ぼけていた彼女の頬っぺたを摘まんで伸ばし、変な顔にする
あっ、可愛い………
グサッ!っと脇腹に激痛
「痛ったぁ!?ナイフはやめぇ!!」
「うぅ、ごめんなさい、エリス……。」
「許す♪」
可愛いは正義だね
「ほら、今日は移動しなきゃね。昨日のぶんまで移動しよ?」
「うん……。」
彼女を立ち上がらせて、布団を回収して、今日も頑張る
「さっ、主発!!」
「………………。」
今日も今日で町は見えない




