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白魔導師、ダンジョンに挑む 前編



 あれから身勝手な行動について、ユイとダッガスからの説教を受けながら王都に帰還し、報酬を受け取った俺たちは新たに宿を探すため、冒険者ギルドを後にした……いや、後にしようとした。


 しかし、俺たちは冒険者ギルドの職員に呼び止められ、何故か応接室へと通された。

 どうやら、Sランク冒険者、あるいはSランク冒険者の所属するパーティーに用があるらしく、シノも一緒に応接室へと通される。

 シノは応接室に飾られる絵画や装飾品を興味ありげに眺めている。時折、「美しい……」なんて言葉が聞こえてくるが、深淵がどうだ、邪神がどうだと語りかけられ続けるよりかは断然マシだ。


 なるべくシノの存在は気にしないように、待つこと数分。

 冒険者ギルドの王国本部長と名乗る初老の男……シルバと、王国騎士二人が応接室へとやってきた。


「それで、王国本部長がどんな御用で……」


「王都周辺でダンジョンが発見された、と言えば察して頂けますか」


「……ダンジョン⁉」


 驚きの声を漏らすユイ。

 シノを含めた面子も、声こそ出さないが驚いた様子をしている。


「ダンジョンと言えば、聖剣が発見された場所も、そう呼ばれていましたよね」


 俺の質問にシルバは黙って頷いた。

 ダンジョンという名称は、俺も聞いたことがあった。確か、アイテムと呼ばれる強力な武具が眠るモンスターの巣窟だったはずだ。聖剣は数百年前、ダンジョンから発掘されたものらしい。


「それは間違いなく、ダンジョンなんですか?」


「はい、おそらくダンジョンかと。王国騎士が調査した結果、通常の洞窟ではありえない魔力濃度と、深さであることが確認されています。これらは聖剣が見つかったダンジョンに関する古い記録や、数十年前に大賢者らが攻略したダンジョンにて見られた特徴と酷似していることから、ダンジョンかと」



 王国騎士の調査では最低でも十一階層あるとのこと。十一階層へと降りる直前で引き返したらしい。どういう仕組みなのかは不明だが、普通の洞窟と違い何層にもなる構造をしているのもダンジョンの特徴だそうだ。下る階段等があるわけではないが、層としてなんとなく区別できる構造になっていたらしい。


「聖剣に並ぶ武具を得るチャンスだ。魔王軍の動きが活発になる今だからこそ、攻略し、魔王軍に対抗する戦力としたい。だが、王国騎士には王国を護るという責務もあるゆえ、長期的なものになってしまう可能性の高いダンジョン攻略にさける戦力は限られる……」


 大賢者の活躍により、王国では冒険者が増える一方で、王国騎士に志願する者が激減した、という話があったが、思ったより事態は深刻だそうだ。余談だが、アベルの領内にあるイシュタルという街……あそこがモンスターに襲われた際、王国騎士が動けなかったのもそれが影響しているらしいしな。勇者がいるから大丈夫、という過信ゆえに、王国騎士による守りが手薄になってしまっていたそうだ。


「それで? 私たちSランク冒険者の力を借りたい、と。そう言うことだな?」


 シノが確信を持って、そう問いかける。


「はい、勇者が一人とその一行、王国騎士と宮廷魔導師が数名ほど派遣される予定ですが……」


「ダンジョン攻略の難易度が噂通りのものなら、心許ないな」


 シノの分析によると、そうらしい。

 俺は詳しいことはあまり知らないため、何とも言えないが。


「えーと、そのダンジョン攻略に参加する勇者っていうのは、セリオンのこと?」


 期待と同じくらいの不安も孕んだ、何とも表現の難しい感情を胸に、ユイはそう尋ねた。

 氷晶の勇者セリオン。氷を意のままに操る規格外の存在。

 性格に難はあれど、実力は確かだ。

 何せ、魔王軍の四天王を打ち破ったのだから、居てくれればさぞ心強いだろう。それと同時に、共闘はできれば縁了したいという自分もいるが……。

 その問いに対し、シルバは首を横に振った。


「いえ、ダンジョン攻略中、セリオン様はクレアの護衛に徹する予定です」


「あー、そっか。まぁ、やっぱそうなるよね。あのセリオンがクレアを一人にするとは考えにくいし、クレアを護る戦力も重要だもんね」


 ダンジョンに戦力を集中させるのは愚行だ。強力なアイテムは魅力的だが、場合によってはクレアの持つモンスターに干渉する力の方が貴重だし、同時に危険も孕んでいる。


「セリオンがいれば心強かったんだけどな」


「ちょっと粗暴で、恐ろしい方ですけどね」


 クロスとシリカの意見に俺も同意だ。

 勇者という存在がどうしてそこまで重宝されるのか、セリオンを見た後では理解できる気がする。

 セリオンが例外で、別格に強い可能性も十分に考えられるが……。


「セリオン並みに強いのか? その勇者は」


 ダッガスの問いに、王国騎士は頷いた。


「拳に風を纏い、モンスターを粉砕する様を拝見したことがありますが……中々な強者であるのは間違いないかと」


 拳に風を纏い、と聞き、俺やユイの表情がやや引きつる。

 その手の強敵とは、割と最近相まみえてしまった経験があるな。

 そのせいか、グリストのような筋肉質で巨体に、粗暴なイメージが嫌でも思い描荒れてしまう。

 おそらく、ユイたちも同様だろう。


「えーと、ちなみに性格は?」


 恐る恐るユイはそう尋ねた。


「そうですね。私は〝真面目な方〟という印象を受けましたね」


 その勇者が戦う様を見たことがあるという王国騎士は、そう語った。

 アレンやセリオンという前例があるため、性格面での不安は大きかったが、王国騎士の話を信用するのであれば、その勇者はある程度しっかりした人らしい。


「すぐにとは言いません。後日、王国城内にて、ダンジョン攻略の作戦会議を行います。見張りの者には、通すよう伝えておきますので、参加してくださるのであれば、王城までいらしてください。攻略が成功した暁には、それ相応の報酬をお渡しします」


 王国騎士の話は以上だそうだ。

 シルバも仲介役としての役目は果たしたのか、これ以上話すことはないとのことだった。

 ダンジョン攻略。俺は正直、あんまり興味ないが……。

 ちらりと視線を向けると、キラキラと目を輝かせるユイの姿があった。

 これは、嫌な予感が。


「ねぇ、ダッガス! 参加しよ!」


「ま、ユイなら言うと思ったが……目的は報酬、じゃないよな」


「えぇ。当然、大賢者マーリン様の後を追うためよ!」


 ユイは大賢者マーリンの熱狂的なファンだ。その大賢者が成した功績の一つに、自分も挑戦してみたい、とのことだ。クロスも乗り気で、ダンジョン攻略は多くの冒険者にとって夢の功績らしい。伝説と呼ばれた冒険者たちに近づいた証。

 俺はまったくもって憧れないけど。

 シリカが俺に近い感覚で、ダッガスが中立的な立場といったところだ。

 俺もシリカもダンジョン攻略の参加に否定的ではないが、そこまで興味もない。

 果たして、俺の力が通用するか怪しいところだが。


「ねぇ、参加しよ!」


 ユイの参加したいという意志の強さとパーティー内に否定派の人がいなかったこともあり、俺たちはダンジョン攻略に参加するに決まった。




 ◇


 ダンジョン攻略会議の場には、俺たち以外に数名のS、またはAランクの冒険者、そして王国騎士と宮廷魔導師数名、さらに話に聞いていた勇者……テスタとそのパーティーがいる。ここにいる王国騎士は手練れだそうだし、宮廷魔導師はその肩書を持っている時点で、凄腕の魔法使いだと分かる。なんせ、王国に仕える魔法系の人間でも限られた者にしか与えられない役職だからな。

 

 錚々たる面子だ。

 この場に俺がいるのは場違いではないか?

 そわそわしているのを悟られないよう、平然を装って入るが……。


「おい、そこのお前……ロイド、だったかな」


 視線を集めていることには気が付いていた。

 気が付いていないふりをしようと決めていたが、話しかけられれば無視するわけにはいかない。

 それが勇者であるテスタとなればなおさらな。 


「えーと、何でしょうか」


「確かDランク冒険者だったな。それで、その前は勇者パーティーに所属していたが、クビになっているとか」


「そうだが……」


「そんな低ランク冒険者がダンジョン攻略で生き残れると、本気でそう思っているのか?」


 鋭い視線が俺へと向けられる。

 足を引っ張るな、と言っているようにも、心配してくれているようにも取れるが……。


「いや、思ってない」


 素直な感想を、テスタに告げる。

 それがよりテスタを不快にさせたのか、俺を見る瞳がいっそう鋭くなる。


「なら何故、参加しようと思った? ダンジョン、十階層程度でもかなり手強いモンスターが出たと聞いている。お荷物を背負いながら攻略できるほど、甘い仕事じゃないんだ。ダンジョン攻略っていうのは」


 言い返す言葉もない。

 俺が言葉を詰まらせる中、口を開いたのはユイだった。


「ちょっと! あんたね、勇者だかなんだが知らないけど、うちのロイドをなめないでもらえるかしら?」 


「俺は事実を言ったまでだ」


「だから、そういうのは実際にロイドの実力を見てから……」


「実力があれば、ランクに現れるだろう? コネも、家柄も関係ない。実力主義こそ冒険者の特徴であり、国に仕える兵士との大きな違いだと聞いていたが? それにだ。仮に実力があれば、勇者パーティーを追放されることもなかったはずだ。違うか?」


 ユイとテスタの言い合いが激化していくほど、室内の雰囲気がみるみる悪化していく。

 テスタの周囲に座る、テスタのパーティーメンバーと思われる人たちが怒りをあらわにしながら腰を上げようとした。


 その時だ。

 扉が勢いよく開かれた。

 そこに現れたのは、白髪に紅い瞳に、特徴的な眼帯とフリフリのメイド服のような服装をした女だった。

 先日、共闘してサイクロプスを勝手に討伐した黒魔導師……シノだ。


「お前は?」


 不快感を露にするテスタの問いかけにシノは、毅然とした振舞で答える。


「私はSランク冒険者シノ、ダンジョン攻略の参加者だ」


「随分と遅い到着だな」


「ふん、ヒーローは遅れてやってくる、というだろう?」


 謝罪の一言どころか、悪びれる様子もなく、むしろ遅刻を自慢げにそう語るシノを前に、テスタの苛立ちは頂点へと達し、有難いことに俺からヘイトが逸れてくれたのだが。


「はぁ……」


 今回のダンジョン攻略において、ここの実力は勿論重要だが、それと同じくらいにチームワークも大切なはずだ。それなのに、口論は激化し、雰囲気は悪化の一途を辿っている。

 卑怯だな、俺は。

 アレンの元にいたときもそうだったが、こうなった場合、俺は口を挟まない。

 口を挟めるような立場にないからな。

 だが、それはただ人とぶつかることからも、言葉の持つ責任からも逃げたいだけなのかもしれない。

 このままでいいのか?

 そう思うと、自然と口が動いていた。


「えーと、喧嘩ばっかしてないで、そろそろ本題に……」


「お前はだまってろ」


 テスタの鋭い視線が刺さる。


「あ、はい」


 やはり、俺には口をはさむ権利はないようだ。


 結局、最低限必要な話し合いのみが行われ、いざこざを残したままダンジョン攻略へと挑むという、好ましくない状況で終わるのだった。



 ◇


 ――ダンジョン攻略当日。


 三日ほど空いたこともあり、多少は雰囲気が良くなったり……などと淡い期待を持っていた自分の考えが、いかに浅はかだったかを痛感させられていた。

 雰囲気はまったく改善されておらず、相変わらず険悪なままだ。

 馬鹿にされた、というよりは事実を突きつけられた当の俺は、そこまで気にしていないのだが……。

 だって事実だし。

 しかし、ユイはそう考えてはいないらしく、テスタやその仲間をあからさまに嫌っているのが見て取れる。

 テスタも俺は勿論、ユイのことも良くは思ってなさそうだ。


「こんな調子で大丈夫か……」


 ダンジョンの全体像をつかもうと探知魔法を発動してみたのだが、だいたい四十層ということが分かった。探知魔法は生物の持つ魔力を気配とし、探知する魔法だ。そのため、魔力濃度が濃すぎるダンジョン内部では構造は分かっても、モンスターの気配を捕らえることは無理だった。

 何が起こるか分からない。

 こんな時こそ、協調性のある行動が重要だと思うのだが……。

 協調性は皆無。


「って、あれ?」


 ダンジョンは最低でも十一階層あるという情報だったが……探知魔法を用いれば、ダンジョンの全体像は把握できる。

 それなのに何故、その情報を王国が掴んでいないのか……


「おい、ロイド」


 そんなことを考えていると、ふとシノに声をかけられる。


「どうした?」


「ダンジョン内では、お前のパーティーに混ぜてほしい」


「ん? 別に構わないと思うが……」


 性格面に問題は見えるが、腕は確かだ。

 汎用性という意味では四属性を扱えるシリカが上だが、単純な火力ならシノが勝る。見たことはないが、デバフをかける魔法が使えるのも大きい。本当に性格面はあれだが、戦闘においては頼りになる存在だ。たぶん。


「そうか」


「意外だな」


「何がだ?」


「俺はてっきり、仲間なんぞ不要だ……とか言うと思ってた」


 シノのしそうな素振りやそれっぽい口調で、軽く真似して見せる。

 思ったより恥ずかしいな、これ。

 ちなみに、そんな恥ずかしい思いをしてまでした俺のちょっとした揶揄い交じりのボケは何事もなかったかのように、スルーされた。

 というか、たぶん、気が付いてすらいない様子だ。


「普段ならそういうだろう。だが、嫌な予感がするのだ。昨晩から、この封じられた瞳がうずいてならない」


「うずくって、怪我とかしているわけではないのか?」


「あぁ、視力に問題はないぞ?」


 マジか……。

 戦闘において目が担う役割は大きい。片目だとしても視野は大幅に狭まるだろう。

 好き好んで視界を封じるやつはいない。いない、はずだ。

 ツッコミするだけ無駄なため、何も聞かなかったていで話を続ける。


「嫌な予感、か」


 その後、ユイたちにもその話をし、四人全員から承諾を得たことで、シノの一時的な共闘が正式に決定した。ユイたちもシノの実力はその目で確認済みだ。

 そんなことをしているうちに、ダンジョン攻略に携わる全員の準備が完了する。

 まず、一度内部調査をしている王国の兵士らが先行してダンジョン内に入って行く。次に、勇者であるテスタとその仲間、そして冒険者たちという順番で進んでいくこととなる。

 最前線がユイ、ダッガス、その後ろにクロス、シリカ、シノ、俺という陣形で、ダンジョン内へと足を踏み入れた。

 

 すでにルートは把握済みだったこともあり、十一階層までは難なく到達した。モンスターも調査の際に、あらかた討伐していたようで、戦闘自体がそこまで行われなかったのも、すんなりこれた要因の一つだろう。


 今日はひとまずここで休息をとるらしく、他の人たちが背負っていたカバンやリュックを下ろし、食事や睡眠などの準備を進めている。

 俺たちもそれに続き、収納魔法からあらかじめ用意していた寝具や調理器具を取り出した。モンスターも途中で狩ったものを何匹か、取り出しておく。ちなみに、護衛の依頼中、杖を取り出す様子を見ていたシノから、それはなんだ?と聞かれ、答えた結果、教えろとせがまれたため、シノには収納魔法を教えておいた。シノは魔法を覚える要領がシリカ以上に早く、すぐに扱えるようになっていた。

 

 周囲に合わせ作業をしていると、何故か俺たちへと視線が集まっているのに気が付いた。


「おい、その魔法はなんだ?」


 テスタがシリカへそう問いかけながら歩み寄ってくる。

 やはり、収納魔法は珍しいのだろうか。


「収納魔法という……その、名前通りの魔法です」


「ほう、空間系の魔法と見えるが……便利そうだな。これをどこで知った?」


「私、というかユイたちも含め、全員がロイドさんから教えて貰たんです」


「何? あのDランク冒険者が?」


 悪寒が俺の背中を駆ける。


「おい」


 やはり、俺のことをよく思っていないのか、シリカの時とは違い、威圧的な態度で呼びかけるテスタ。


「何だ?」


「この魔法をどこで知った……いや、それはこの際いいか。何故、この魔法を会議の場で言わなかった? お前たちがこのこういった魔法を使えることが分かっていたら、物資をもっと潤沢に持ってくることも出来たし、俺たちがわざわざ重い荷を背負いながら戦う必要もなかった」


 なんて理不尽な意見なのだろう、という言葉は胸の中に止めておく。

 テスタの言うように、事前に俺が収納魔法について話していれば、無駄な体力の浪費を抑えることはできただろう。もっと深くへと近づけていたかもしれない。

 しかし、あの場ではとても俺が何かを言えるような雰囲気ではなかった。シノにヘイトが向いたおかげで俺は議論の的からはそれたわけだが、また俺が何かを言えば俺にヘイトが戻った可能性は多いにあったわけで。何より、その原因を作ったテスタにそれを言われるのは、納得のいかないところがある。

 俺個人にそういった肩書も、特別な経歴もないのが悪いのも、勿論そうだが。


「テスタは収納魔法ってしっていたのか?」


「いや、初耳だ。というか、おそらく一般的に周知されている魔法じゃない」


「やっぱり、そうなのか」


 アレンの前で初めて使った時、特になんのリアクションもなかったんだが……。

 いや、アレンはこれといった反応こそなかったが、周囲の面子は反応していた気もするな。


「で、話を逸らしたつもりか?」


「いや、そんなつもりはない」


「どうだかな。嫌がらせ目的で、情報を伏せていたつもりか? まぁいい。ただ、今後は可能な限り、その収納魔法とやらで俺らの荷物を運べ。見たところ、大した負担もないんだろう?」


 勝手に話を進めていくテスタの言い分には思うところはある……が、一理ある意見なのも確かだった。俺が荷物を持った方が、他の人たちは動きやすくなるし、俺としてもダンジョン攻略で役に立てることがあるなら、是非したいと思う。ユイたちも収納魔法を使えはするが、まだ使い始めて日が浅い。収納可能な容量は遥かに俺の方が大きい。

 懸念点もなくはないが……。


「あぁ、分かった」


 休息後。テスタが、他の人たちを集め、武器や携帯食料など最低限のものを残し、他の荷物をすべて俺の元に預けさせた。複雑な表情でユイたちは見守っていたが、まぁ、大した負担にもならないし……。

 その甲斐もあってか、出てくるモンスターが地上のものよりも強いにも関わらず、ダンジョン攻略は極めて順調に進んだ。

 ダンジョン攻略は上手くいっている。

 多くの者がそう思い、成功を信じていた。



——しかし、三十一階層で事件が起こった。


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