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にゃん娘と作る文明開化  作者: かわち乃梵天丸
第三章 にゃん娘と始める文明開化
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新しい住居5 小屋の完成

こんにちわ、王様です。

そろそろ新しい小屋が完成しそうな予感です。

少しワクワクしてます。

 竪穴式住居の骨組みを作る作業は夕焼けの大活躍の場になった。

 夕焼けが梁に登り僕らがしたから小屋の骨組みとなる縦棒を渡す。

 僕らがその棒の一端を地面に空けた穴に入れてから土で埋めると、夕焼けが反対側の端をロープで梁に縛り付ける。

 猿のように身軽な夕焼けが居なかったら出来なかった作業だ。

 次々に骨組みが立てられる。

 竪穴の周囲をぐるっと回る感じで縦棒の骨組み設置が終わると、今度は横棒の骨組み設置だ。

 あまり太くない縦棒に蜘蛛の様に器用にぶら下がる夕焼け。

 横棒を渡してそれをロープで縛り骨組みをマス目状にしていく。

 お昼ご飯前にはマス目状の骨組みながら小屋の形が見えて来た。

 

「いい感じで作業が進んだな」

「頑張ったにゃ!」

「俺も頑張った!」


 二人には本当に助けられている。

 午後からは藁ぶきだ。

 背の高い雑草を草原から集めて、それを藁束の様に加工する。

 それをひたすら小屋の骨組みに括り付ける作業だ。

 その時注意するのは藁束を括り付ける順番。

 下の方から順番に括り付けないと雨が屋根を上手く流れず小屋の中に入ってきてしまう。

 煙を逃がす穴も作っておいたので焚火をしても安心な設計。

 そして夕方には藁ぶきが完成。

 玄関のスロープや入り口の屋根は完成してないが一応住めるようになった。


「この中で寝れるんにゃよね?」

「もちろんだ。その為の小屋だからな」

「この小屋の中でたき火出来るのかにゃ?」

「おう! たき火も出来るし焼き魚も焼けるぞ」

「じゃあ、寝ながら焼き魚を食べれるにゃ」

「じゃあ、俺も寝ながら食べるぞ!」


 なにそのニート的な発想。

 僕もしてみたい。

 でもなんだ。

 寝ながら食べるのは行儀が悪い。

 ここは敢えて寝ながら食べるのは禁止。


「寝ながら食べるならご飯は無しだ」

「なんでにゃ? この小屋作った意味がないにゃ!」

「寝ながら食べると、牛になるぞ」

「うし? なにそれ?」


 あー。

 夕焼けは、牛を見た事無いんだな。

 ちゃんと説明しても実際に見るまで分らないだろうから、適当に説明しとくか。


「この前見たイノシシみたいな動物だ。あいつはいつも四つん這いになって餌の草を食べるんだ。夕焼けも寝ながら食べてると牛みたいに四つん這いにしか歩けなくなって、草しか食べられなくなる」

「いやにゃ! そんなのいやにゃ! おさかなたべたいにゃ!」

「じゃあ、寝て食べるなよ」

「わかったにゃ、ぜったいねながらたべない」


 という事で焼き魚を食べる事にした。

 今日は昼に続き2度目の漁だが、新築記念という事で月夜に許しを貰った。

 さすがに二度目の漁となると魚は少ない。

 一人四匹づつだった。


 竪穴式住居の真ん中でたき火を始める。

 たき火は小屋の真ん中の一段低く掘ったところでする。

 なんで低くなってるかというと、何か有った時に水をかけて消火できるようにした防災対策だ。


「おさかな、おさかな、たのしみにゃ」


 夕焼けは興味津々で僕のする事を覗いている。

 小屋の建築で余った端材に火を着ける。

 そしてたき火を始めたが……。


「げっほ! げっほ! 煙い!」


 換気が全く上手くいってない。

 見ると換気口が完全に塞がっていた。

 換気口迄、藁ぶきの束で覆われていた。


「夕焼け、天井に有る梁の先端の下の部分は藁で葺いたらダメだぞ」

「そうにゃのか?」


 夕焼けは骨組みを器用に昇り、換気口を開いた。

 すると煙がきれいに追い出される。

 これでたき火は問題ない。

 でも、あんまり考えて作って無かったから大雨が降ったらあの換気口から雨漏りするな。

 少し対策をしないとな。

 そして焼き魚は焼き上がった。


「うまいな!」

「おいしいにゃ!」

「小屋の中で食べる焼き魚は格別だな! さすが王様だ」

「うん、すごくおいしいにゃ! 王様すごい」


 にゃん娘達の笑顔に囲まれて俺は幸せな気分に浸っていた。

 翌日、大事件が起こるとも知らずに。

今日はバレンタインデーです。

でもにゃん娘村は平常営業です。

チョコなんてこの世には無いのです。

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