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にゃん娘と作る文明開化  作者: かわち乃梵天丸
第三章 にゃん娘と始める文明開化
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縄文料理9:燻製肉

 夕焼けと天色の旺盛な食欲でイノシシの殆どが食べられたがそれでも肉が残った。

 捨ててしまうのはもったいない。

 かといって冷蔵庫も無いのに置いておける訳も無い。

 なので少しでも日持ちする物を作りたいと思う。

 肉で日持ちさせると言えば干し肉しかないな。

 干し肉として加工して、食料が足りない時に焼いて食べたり、スープの具材として入れるとか色々使い道は有りそうだ。

 確か干し肉は濃い塩水に漬けた後、塩を振りかけ陰干しして乾燥させるだけだ。

 念の為、月夜に聞いて確認してみる。


「干し肉ですか? 確かにその方法で作れますが、干し肉を作る事はあまりお勧めしませんよ」

「どうしてだ?」

「最近、この辺りに虫が出るようになったと思いませんか?」

「確かに前は全く見かけなかったけど最近はちょくちょく見かけるようになったな」

「干し肉は塩水に浸けてその後塩もみして陰干ししたら作れるんですけど、肉を陰干ししていたら真っ黒になるほどびっしりとハエがたかる事になると思いますが、それでも作りますか?」

「マジ!?」

「はい、間違いなくそうなると思います」

「それはやだな」

「何か他にいい方法無いのか?」

「そうですね。燻製なんかはどうでしょうか? 塩もみするまでは干し肉と作り方は変わりませんが、陰干しする代わりに燻蒸で乾燥させるのです。それならハエが集ることになる干す工程が不要ですし、煙を嫌ってハエもたからないと思いますよ」

「なるほど、その手が有ったか!」

「燻製って煙でいぶすだけでいいんだよな?」

「はい」

「なら何とかなりそうだな」


 燻製か。

 たしか出前の岡持ちみたいな容器に入れて下に香木を入れて燻すんだったな。

 岡持ちなんて無いからどうするか。

 鉄のナイフが有るから木の箱を作れば行けそうだけど箱を作るのに時間が掛かりそうだな。

 箱を作ってる間に肉が腐るかもしれない。

 うーん、どうするか。

 今までで作ったものでどうにかしないとな。

 今まで作った入れ物と言うと背負いカゴか。

 それを逆さまにしてフタをするようにすれば!

 いける!

 いけるぞ!

 僕は以前作ったカゴを倉庫から取り出してきた。

 夕焼けが興味津々で僕のすることを見だした。


「王様、何してるにゃ?」

「これか? 燻製肉っていうのを作ろうとしてるんだ」

「燻製肉? 何それ美味にゃかな?」

「うーん、保存目的で作るから煙臭くてあんまりおいしく無ないかな。お肉は生で食べた方が絶対に美味しいと思う」

「そっか、じゃあがんばってにゃ」


 そう言うと夕焼けはどこかへ行ってしまった。

 美味しく無いと言ったから興味が失せてしまったようだ。

 まあ、いつもの事。

 気にしない。


 カゴは、あの火打石の旅で相棒として使った懐かしいカゴだ。

 まず地面に浅い穴を掘り、そこに太めの枝を入れる。

 そして火を点けると煙が出る。

 そしてかごを被せる。

 煙が立ち上る。

 そしてカゴの隙間から漏れて出る。

 僕はカゴの目の隙間に草を押し込み煙の漏れを防ぐ。


 うん、これならなんとかいけそうだ。

 塩漬け塩もみをした肉を棒に挿してカゴの中で吊るす。

 そして枝を燃やして燻蒸。

 あとは三時間ぐらい放置だ。

 とってもお手軽簡単。

 あとは余熱で水分が飛ぶのをじっくりと待つだけだ。


 *


 三時間後、干し肉が出来上がった。

 食べてみると燻し過ぎたのかかなり煙臭くてまずい。

 おまけに塩っぱ過ぎる。

 でも保存食なんだから、美味しいといざと言う時になる前に食べてしまうのでこんなものでいいと思う。

 とりあえず燻製肉が完成した!

 美味しくないけどな。

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