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にゃん娘と作る文明開化  作者: かわち乃梵天丸
第三章 にゃん娘と始める文明開化
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土器作り7 粘土の取れる場所

「ここの土でも有機物を除去する精製設備が有れば焼き物に適した土を作れますが、でもそんな設備なんて有りません。王様ならどうしますか?」

「有機物の少ない焼き物用の土を探せばいいんだね」

「そうです。では、次の質問です。植物が殆ど生えていずに有機物の含有が少ない土が有る場所はどこでしょう?」


 月夜は僕に謎掛けをするように言ってきた。

 そんな場所有るんだろうか?

 焼き物用の土の採掘場所としてあまりにも都合のいい場所……。

 そんな場所は有りえない。

 そんな場所聞いたことも無い。

 僕は月夜が出してきた謎掛けを解こうとするがどう考えても解らなかった。


「そんな場所有るの?」

「この近くで見た事が有るはずです」

「見た事が有る? この近くで??」

「はい。すぐ近くです」

「そんな場所なんて有ったか?」

「植物が生えて無くて土が直接が見れる場所です」

「土が直接? 見れる?」

「はい」

「うーん、どこだろ?」

「すぐ近くですよ。この草原を少し山の方に向かった所です」

「うーん……」


 そんな場所、僕の記憶の中には全くない。

 この近くにそんな場所有ったか?

 山の方へ向かえば森しかないはず。

 この辺りを探索したのって食べ物を探した時ぐらいだよなー。

 あとは何をしたかな?

 うーん、思い出せない。


「うーん……わからない」


 僕が困り果てて眉間に皺を寄せてる僕を見た月夜はやれやれと言った表情をして言った。


「わからないですか。わかるはずなんですけどね。しかたないですね。今回は王様に教えると決めたので教えましょう。ここから少し山の方向へ向かった所に崖が有りませんでしたか?」

「崖?」

「火打石探しで行ったはずです」

「あー! 崖か! 行った行った! 土が直接見れるって崖の事か」

「そうです。その崖です。あの崖は地層が露出しています。つまり植物が生えてないと言う事です。その崖に行って焼き物に適した粘土を探せばいいのです」

「なるほど! じゃあ、さっそく取りに行こう。おーい、夕焼け、天色、起きてくれー!」

「…………」


 二人はまだ寝息を立てて寝てるようで返事が無い。

 あまりにも気持ちよさそうに寝てるので僕と月夜だけで行こうかな。

 いや待てよ?

 でも、茶碗みたいな小さい物を作るわけでも無くて大きな鍋を作るならそれなりの量の粘土が要るんだよな?

 前みたいに三つ作るとなると粘土の量は結構な量になって二人では到底運べる重さじゃないだろうし……。

 ここは手伝って貰うしかないな……。

 僕は夕焼けと天色を揺り起こした。

 天色はすぐに目が覚めたようだ。


「お、おう。おはよう。どうした?」

「悪いちょっと手伝って欲しいことが有るんだ」

「おう、わかった」


 夕焼けの方は一度目が覚めたはずだがまたすぐ寝てしまった。

 僕はもう一度夕焼けを揺り起こす。


「おーい、起きてくれー」

「むにゃむにゃ、おはようにゃ。では、おやすみなさいにゃ」

「こら! 起きた早々寝るなよ」

「なんなのにゃー。夕焼けちゃんはとっても眠いのにゃ」

「じゃあ、今からご飯食べに行くけど、夕焼けはご飯抜きでいいんだね?」

「え? ごはん!? たべるにゃ! たべるにゃ! おはようですにゃ!」

「おはよう。やっと目が覚めたみたいね」

「おはようにゃ。ごはんどこ?」

「ないよ」

「にゃにー! ご飯無いのにゃ!?」

「うん」

「嘘ついたのかにゃ!」

「うん。ごめん」

「王様が少し嫌いなったにゃ」

「ごめんごめん。これから、昨日作るのに失敗した鍋をもう一度作るので材料取りに行くんだけど手伝ってくれないか?」

「鍋? いいにゃ! てつだうにゃ!」


 こうして僕らは崖に粘土を取りに行くことになった。

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