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にゃん娘と作る文明開化  作者: かわち乃梵天丸
第三章 にゃん娘と始める文明開化
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土器作り2 意外と簡単?

「ごめん。代わりに他の物を作るから」

「な、何を作るにゃ!?」

「えーと……秘密」


 まだ何にも考えてないんだよ。

 いきなりそんな事聞かれると、冷や汗でるよ。


「楽しみだにゃー!」

「何を作るか、まだ何も決めてませんね」


 うっ!

 月夜には見透かれてたか。

 月夜はそう言う所が鋭いからなー。


「ああ。決まってないさ。今まで一人暮らしで、普段料理するのはインスタントばっかりだったからろくに料理のレシピなんて知らないし」

「だと思いました」

「僕でも確実に出来そうな魚メインの魚鍋でもしようと思うんだ」

「誰が作っても美味しいその辺りの料理から始めるのが賢明でしょうね」

「まずはうつわ、いや鍋から作らないとな。器はヤシの実のからでどうにかなりそうだし」

「じゃあ、器の方は私が天色さんと進めておきます」

「ありがとう」


 僕は調理器具から作る事にした。

 まずは鍋だ。


 *


 鍋と言えば鉄製の鍋は作れるわけもないので土器以外の選択肢は無いな。

 土器を作ろう。

 作るなら小学校の社会の授業で習った縄文土器だな。

 土器を作るとなると、どうやって作るんだろう?

 確か、粘土をねて作った気がする。

 そう、間違いない。

 粘土だ。

 粘土を捏ねて作るんだ。

 でも、粘土はどこで手に入れればいいんだ?

 わからない。

 試しにこの辺りの土を使って作ってみるか?

 いや、すぐにひび割れてしまうだろうな。

 やはり粘土を手に入れないと。

 月夜に相談してみるか。

 海岸へヤシの実を取りに行こうとしている月夜を捕まえて聞いてみた。


「月夜、粘土が欲しいんだけど、どこに有るのか教えてくれないか?」

「知っていますが」


 月夜はあからさまに嫌悪感のある顔をする。

 だがそれをあえて無視して僕は聞いた。


「教えてくれ」

「私に聞いてしまっていいんですか? 自分で探さずに、私から教えてもらっていいんですか?」

「聞いちゃいまずいのか?」

「私から聞いて粘土を手に入れたとします。次はこう言うでしょう。『土器はどうやって作ればいいんだ?』 それでは私がやるのと変わらないじゃないですか!」

「ダメなのか?」

「ダメです! あなたは王様なのですよ! 王様が自らの手でこの国を造り上げないといけないんです!」


 月夜はいつもと違う勢いで僕にそう言って迫って来たので僕は思わずたじろぐ。


「わ、わかったよ」


 粘土なんて子供の事に使ったっきりで、小学校の工作に使ったぐらい。

 それがどこで手に入るかなんて解らなかった。

 大抵は文房具屋や本屋やスーパーの文具売り場で買った気がする。

 まあ解らないでこの先に進まないのも何だからとりあえず先に進もう。

 土なら足元にいくらでもある。

 ボーンチャイナの白磁の器を作るんじゃないんだ。

 ここの土でも分厚い生地の土器ぐらいは作れるかもしれないしな。

 淡い期待をいだきつつ作業を始める事にした。

 僕はこの足もとに有る土を捏ねて土器を作る事にしてみた。

 小屋の近くに直径三〇センチメートル程の穴を掘る。

 そしてそこにヤシの身の殻で作った容器で水を汲んできてその穴に水を入れる。

 そしてそこに土を入れ捏ねる。

 本当は粘土を捏ねるにはボールなりバケツなりが有ればいいんだけど、それを作るための作業だからそんな物は無い。

 現状ではこれがベストのやり方だろう。

 穴に土と水を入れて捏ねてると、いい感じで粘り気が出てきた。

 いわゆる粘土状だ。

 意外とこのまま作れちゃったりするかも?

 僕は期待を寄せつつ作業を続けた。

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