シーン121ラブラ元の世界へ。
私の為に作ってくれたエルフィーナのシチューを頬張る私。
『うううーーーーーーーーーーーーん!うまーーーーーーーーい!!』
ニコニコの私。
そしてエルフィーナも満足気に私を見つめている。
『ラブラちゃん!沢山あるからね!遠慮なく食べるのよ?』
『うんっ!ありがとうエルフィーナ!!』
私はエルフィーナのシチューが本当に大好きなのだ。
でもその時……エルフィーナの表情が曇っていく。
『私って本当にだめね……………。』
『えっ!?どうしたのエルフィーナ!?』
『エルフの一族を束ねていく存在なのは幼い頃から聞かされてきてよくわかってるの………そして私はそんな一族の為にも女王として判断と行動しなければいけない事もよく分かってるの……でもね………こんなに素敵な勇者様とずっと過ごしたんだもの……今ではラブラちゃんが本当の妹だとさえ思っているの……そしてこともあろうにラブラちゃんと離れたくない、ずっと一緒にいたいとさえ思ってしまってる……こういう所本当にだめだと思う……しかも私はエルフ………長寿族は同種族以外は皆……先に寿命を終えちゃうんだもの……これまで私だって他種族だったのなら良かったのかななんていくら思った事か。』
『エルフィーナ………』
私はエルフィーナに声をかけようとすると。
コンコンっと部屋の扉にノック音が聞こえる。
『はい………』
エルフィーナが返答するとそこへ入ってきたのはロイズとドワフロスだった。
『ラブラ………竜王雷武と、そしてルイ様が呼んでいる……………。』
『えっ!?』
私達はその言葉に…………お別れの時が迫りつつある事を知ったんだ。
◇
◇
◇
私達は竜王雷武とルイ様が来ているというアディア様のいる謁見の間へと向かう。
悲しげな表情のエルフィーナが後を着いてくる。
私はエルフィーナの手を取り握りしめる。
『ラブラ……ちゃん!?』
『エルフィーナ!いこう!』
そして私はエルフィーナの手をとり謁見の間へと入っていく。
『あ、来たようですね?どうでした?素敵なシチューに満足されましたか?』
笑顔でそう問いかけてくるアディア様。
『はい!!最高でした!!』
私の声に笑顔のエルフィーナ……でもやはりどこか寂しげだった。
そして私達が座るとアディア様は口を開く。
『勇者ラブラ様……本当にこの世界をお救いくださり本当にありがとうございました……全世界代表でお礼申し上げます。』
『いえ、私は魔王が許せなかっただけです。』
『ええ、そしてその魔王ゼルドリスを封じた魔神具は元ザイアック王国があった場所に神殿を建設し、そこを魔神具封印の地にし、世界中全てで管理する事になりましたのでここでご報告致します。』
『そうなんだ……でもこれでまずは一安心ですね。』
『ええ……本当にありがとうございます。』
私の声にそう返してくれるアディア様。
すると間を置き口を開いたのはうっすらと見える雷武ちゃんだった。
『勇者ラブラ……この世界にもうやり残した事はないか?』
私はエルフィーナの手をぎゅっと握っていた。
『はい……………』
『そうか………ならばこれよりあのメギノス博士が残し……それを改良してくれたロイズ博士…その『転移』魔導具をここに。』
数名の兵士達によって運ばれてきたその装置が目の前に準備されたんだ。
(おじいちゃん……ロイズ……ありがとう。)
すると雷武ちゃんが口を開く。
『この装置は異世界へと勇者ラブラを転送させる為に改良されたもの……だが本来そのエネルギーたるや膨大な魔力を消費するようなのだ……我が魔力だけではきっと足らぬのだ……』
そう言った雷武ちゃん。
するとそこへドワフロスが前へと出てくる。
『ならば我が魔力も僅かながらだが差し出す事にする。』
『私もいるよう!おじ様に力をかすのだ。』
ドワフロスに魔力をあげるのは『ノーム』ちゃんのようだ。
するとロイズが口を開く。
『ドワフロスの魔力でもきっと足りないかも知れないな。』
するとそこへあの『コフィ』も現れる。
『アディア様、僕の魔力も是非お使いください。』
そこへなんと、風が吹き出し登場したのはウンディーネちゃんを連れてきたドライアードちゃん。
『勇者ラブラ様!私達の力も是非。』
『うんん!ラブラあ!ありがと。』
『ウンディーネちゃん!ドライアードちゃん!ありがとう。』
そしていつの間にか私に力を貸してくれたフェリスちゃんはじめ精霊さん達もこの場に現れたんだ。
『皆……みんな……本当に私の為にありがとう。』
私はうるうると胸が熱くなっていた。
『これなら……うーん僅かに足りないような……』
ロイズがそうつぶやく。
エルフィーナが何かを考えているようだった。
すると私の手をひいて転移装置に向かったエルフィーナ。
『エルフィーナ!?』
『………………………………』
すると装置の傍から声が聞こえる。
『これか?』
『ダメだよ!?麒麟?勝手に押したら怒られるよ!?』
目を向けた先にはなんと麒麟ちゃんとヘキサちゃんがいたんだ。
『二人とも来てくれてありがとう!』
『いやいや!こちらこそ本当にありがとう!』
私はヘキサちゃんと会話するとロイズがぶつぶつ言っていた。
『うーん…これでも足りないか、よくこっちへ召喚できたよな。』
すると。
『これえ!?なんだあ?』
ぽちっと聞こえた装置の起動音。
何気にスイッチを押してしまった麒麟ちゃん。
『『なにーーーーーーーーーーーーっ!?』』
慌てるロイズ。
『作動してしまう!?でも若干魔力が……足りないぞ……正常にいけるのか!?』
『ええっ!?どうしたらいい?』
ロイズの言葉に私は装置内で慌てる。
するとエルフィーナが私を抱きしめる。
『大好きラブラちゃん。』
そう言い残しエルフィーナは私に微笑み装置の外へ飛び出す。
『この世界の精霊達よ……このエルフィーナの名のもとに……力を貸すのです……彼女を元の世界へ無事に送ります。』
エルフィーナの言葉に魔力が集まってくる。
そして。
『みんなーーーーーーーーありがとう!!』
『大好きだよ!!』
私はその言葉を残し。
転移したんだ。
◇
◇
◇
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