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勇者ラブラ伝説~私って実はちょっと凄いんだよ?~  作者: 黒羽冥


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116/122

シーン116人質。

魔王ゼルドリスを吹き飛ばしたのは雷武ちゃんだったんだ。


『ぐおおおおおーーーーーーーーーーっ!?』


吹き飛ぶザイアックの身体。

その瞬間……大鎌も吹き飛びそして魔神である冥王ハーデスもフッと消えていく。


『おおっ!?』

『さすが竜王雷武…………魔王に匹敵すると噂されているその力はどうやら本物のようだ。』


誰かがそう呟いた。

立ち尽くす雷武ちゃん。


『やったか!?』

『やったのか!?竜王雷武!?』


皆々がそう口にする。

だけれど雷武ちゃんは吹き飛んでいったザイアックからその視線を離さなかった。


『これだけで終わるものならば我々竜人族が奴に滅ぼされる事なんてなかったさ。』


そう静かに語った雷武ちゃん。

次の瞬間。

突然巨大な力が爆発したかように現れる。

そしてそれはザイアックの周辺にあった建物をも瞬時に破壊する。

その轟音からはかなりの衝撃があった事を物語っていたんだ。

すると。

ガラガラと巨大な瓦礫が崩れ落ちる。

それは人間には明らかに動かす事は無理なほどの巨大なものだった。

すると……………中から立ち上がる何者か。

先程までとはまるで違う風貌。

それはあのザイアックの身体と比べても三倍ほどの巨大化したその姿。


『やっと……その忌々しい姿で現れたか………。』


そう語った雷武ちゃんの目の前には。


『魔王……………ゼルドリス………………………!!!』

私達の目の前に再度立つ魔王ゼルドリス。

それはあのザイアックの姿からは想像もつかない程のものだった。

すると魔王ゼルドリスの背後から肉の塊のような何かが這い出してくる。

ズズズと這いながら魔王ゼルドリスの足元まで這うと魔王の足を掴む肉塊のような何か。

すると声を上げるその肉塊。


『ま……おう………ゼルドリス……様。』


その微かな声は肉塊と化したザイアックだったんだ。

肉塊になりながらも何かをうったえるようにゼルドリスに縋っていくザイアック。

すると魔王ゼルドリスはその目を向けると足を高々と上げていく…………そして。

ぐしゃっという音を立て肉塊を踏みつける魔王ゼルドリス。

それはあまりにも冷徹で非道で残虐で………人や生物の行動のそれではない感情などというものを感じる事のないそれだった。


『ザイ………アック……そんな。』

『ずっと酷い事をしてきたザイアック……だけど……そこまでする事は……ないじゃない!?』


ロイズの言葉に共感するように大声を上げ叫ぶエルフィーナ。

誰もがその異常な行動に不快感を抱くだろう。


『クククッ…………この男は俺様の力でここまで自分の欲望を叶えてきたのだ……我が力を使いこなせずこうして這いつくばる事になったのだ……我に汚名をきせようとするのは我慢ならん。』


そう言いきってしまう魔王ゼルドリス。

すると雷武ちゃんが口を開く。


『そうやって貴様は感情というものが分からないのだな……それによりこの地を地獄と化し、そして全てに恐怖を植え付け……我が一族までも滅ぼした……お前だけは………俺様が許さん。』


人型で立ち尽くしそう語った雷武ちゃん。

次の瞬間。

魔王ゼルドリスはニヤリと笑みを浮かべる。


『ふむ……やはりお前元凶だったなあ。』

『なんだと!?』

『あの時お前に絶望を味あわせてやったはずだがなあ。』


雷武ちゃんの過去の話をした魔王ゼルドリス。

そしてニヤリと笑みを浮かべると。


『冥王ハーデス!!!???』


どーーーーーーーーんっと現れる死神。

そして死神の大鎌は振り下ろされる。


『食らうか!?』


ガキーーーーーーーーーーーーんと弾く雷武ちゃん。

二人の戦いの勢いは加速していく。

一撃一撃がとてつもない力の猛攻。

誰もが近づけない程の戦い。

その時。

魔王ゼルドリスは微かに笑みを浮かべる。

そしてピタリと攻撃を停止する雷武ちゃん。


『えっ!?どういうことだ!?』

『あっ!?あれは!!???』

『くっ……魔王ゼルドリスめ。』


するとそこには魔族によって連れてこられた何者かが捉えられていたんだ。

そこにいたのは………一人の老人と……雷武ちゃんの姪であるルイちゃんの姿だった。


『ルイ……………………………………………』

『メギノス博士!!!???』

『おじいちゃん………………………』


それは、私たちの攻撃を奪うには取っておきの手段をここに提示してきた魔王ゼルドリスの汚すぎる策だったんだ。

この戦いが眼下で見えるような場所で二人を捉える魔王ゼルドリスの配下であろう魔族達。

そいつらはルイちゃんとメギノスおじいちゃんをいつでも手をかけられる所に捕らえていた。


『魔王ゼルドリス様…………これで魔王様の勝利は確実なものです。』


すると魔王ゼルドリスはニヤリと笑みを浮かべる。


『ああ………御苦労。』


そして私たちは絶望的な状況に陥ってしまったんだ。

お読みくださりありがとうございました。

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