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勇者ラブラ伝説~私って実はちょっと凄いんだよ?~  作者: 黒羽冥


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107/122

シーン107魔王とザイアック。

私達は緊急会議を行う事にする。

エビルツリーを押さえ込んでいるドワーフ兵達。

その後方に姿を現したのはあの雷武だった。


『えっ!?』

『あなたは……竜王……雷武…………。』


私達が見守る中……彼は作られた防壁の前に立つ。

すると、無言で立ち尽くす雷武は何かを唱え始める。


『我は竜王雷武………我が怒りの雷よ……エビルツリーを焼き払え……………………………………。』


バチバチとその身に電流を発生させていく雷武………その凄まじさは他の追随を許さぬ程のもの。


『雷電!!!』


バチバチーーーーーーーーーーーーーーっと電撃が落ちエビルツリーを電流が流されるがそれは一瞬の出来事だった。

そして次の瞬間エビルツリーは轟々と音を立て燃え上がる!!


『す……凄い………………………この威力はまるで自然の落雷を遥かに超える恐るべき電撃だ……これをこの竜王はいとも簡単に起こし……この一帯のエビルツリーを焼き払い枯らしている。』

『ふっ………この威力……お前が魔王ではないのかと思うくらいだ…………だが……………ありがとう……少なくとも、これでこの地……そしてエルフの神樹に侵食していたエビルツリーは枯れ果てたようだ。』


ドワフロスは竜王雷武に素直に礼を告げる。


『ふん……これは俺様の気まぐれだ………二度も三度も同じ事はせんからな。』


照れたようにそう語る雷武。


『ありがとうございます、雷武様………これでわたくし共エルフも救われたようです…そして自らの計画を除外しこちらにまで御足労くださり……本当に感謝いたします。』


エルフィーナも女王としての挨拶なのだろう彼女も深々と頭を下げお礼を述べる。

すると徐々に顔を赤くし照れる雷武。


『雷武ちゃん!本当にありがとう!』

『おう!まあ俺様はほとんど何もしていないがな………。』


謙遜する雷武。


『おおっ!顔が真っ赤だねえ雷武ちゃん!?』

『う、うるさいぞ!勇者ラブラ!?余計な事を言うでない!!』

『でも……不思議だね……君がいるとなんだか魔王だって怖くなく思えてきたよ。』


私の言葉に真剣な表情に変わる雷武。


『当たり前だ……いいか……この俺様がこの場はおさめた………ここからは全員………俺様の力となり…………打倒魔王ゼルドリスを目指す……皆の者覚悟は…良いか……?』


私達に迷いは無い……ここから私達は最終決戦に挑むんだ。

魔王ゼルドリス……待っているんだ。

そして私はおじいちゃんを助けるんだ。

そう思いを強めたんだ。

そしてこれは。

数十年前のどこかのお話………。

ここはアメリスアード。

この地から発した男………その名をザイアックという。

彼は幼き頃………貧困街に生まれる。

その為………食べ物にも困る日常を過ごす。


『ママ………お腹空いたよ。』

『ザイアック………すまないねえ……私もお腹は空いてるの……またお願いねえ。』

『わかったよ……』

『ああ、いい子だわねえ……ああそういえば……昨日アンタがとってきた時……足が着いたんじゃないだろうねえ?夕方警察がきたわよ?』

『えっ!?』


すると幼きザイアックの胸ぐらを掴む彼の母親。


『アンタ!!失敗するんじゃないわよ!?稼ぎ頭のアンタが捕まったら私まで働かなきゃいけなくなるの!?いい!?二度と失敗は許さないから!!!』

『いい!?他人にはいい顔をしてなさい……そして影で何事もなかったかのように過ごすの!?この世は結局は財力よ……………でも財力を得るには効率よくお金儲けをしなくちゃいけないわ…しくじれば私もアンタも食べる事も生きていく事もできないのよ!?アンタの父親がろくでもない男だったの……アンタだけは財を成して私を裕福にしてちょうだい。』

『わかったよ………ママ。』


こうして幼き少年ザイアックは黒い歴史を歩むことに……そして黒い歴史と共に……この世界にその名を残す事になったのだ。

金と権力を意のままにこの世界の脅威へと成長したのだ。

コンコンッ。


ザイアックの扉に響くノック音。


『誰だ!?』


ザイアックの声。

だがスーッと誰もいないはずなのだが扉は開いていく。


『なんだ!?閉め忘れか?おい!!いるか!?』


執事を呼ザイアック。

だが誰も来ない……その時……ザイアックの部屋にいつの間にかいた何者か。

すると聞こえる声。


『お前は…………我の意思に追随するなにかを持っているな……?』

『なっ!?貴様は何者だ!?』

『お前は世界が欲しいか?』

『人の話を………』

『世界が…………………………欲しいか?』


すると……ザイアックの身体にスーッと消えていく何者か。

そしてザイアックは口を開く。


『そうか……我が名はザイアック……いや……魔王ゼルドリス………この世界の………真の支配者だ。』


こうして魔王ゼルドリスと世界に野望を持つザイアック……二つの意識は……シンクロした。

お読みくださりありがとうございました。

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