シーン106悪の根源。
『お前らーーーーーーーーーーーーーっ!?』
ドワフロスの叫ぶ声がこの地下世界に広がる。
それはドワフロスの痛々しい悲痛な叫びだった。
ドワフロス……そして私達の目の前にはドワーフ兵士達が並び……そして土の魔法による高く広い壁がまるで城砦を建てるかの如く張り巡らされていたのだった。
生命がけのその城砦はあのエビルツリーをここから出さず神樹を守る防壁を建てていたのだ。
だがそれにより彼らは。
エビルツリーの根に取り込まれて手だけを出す者……根に身体を貫かれ絶命している兵士までもがそこを守っていたんだ。
すると…震えながらも、うめき声をあげた兵士がいたんだ。
『うっ………ぐうっ…………ドワフロス………さま。』
『ドワギウス!!???』
男に近づき声をかけるドワフロス。
すると男はゆっくりと話しめたんだ。
『ドワフロス様……誠に……申し訳ございません……奴は突然やってきました………………。』
◇
我らがいつものようにこの城の警備にあたっていた時の事………地下の回廊の監獄域に私はいました…………。
すると……牢に入っていた囚人達が混乱した様子で語りかけてきたのです。
『ひいいいぃぃぃーーーーーーーーっ!?助けてくれ!!???』
急にそんな声を上げて鉄格子から訴えてきた囚人達。
その形相に私も困惑してしまいました。
ここまで恐れ訴えてくる囚人など初めての事とも言える。
『何が起こったのだ!?』
私がそう問いかけるが男は一時もそこにいたくないような状況。
すると囚人の背後に何かを感じる。
それは牢の中……誰も立ち入る事のできるはずもないその牢の中からは何らかの視線を感じてしまいました。
そして気がつくと…牢の鉄格子は一瞬で破壊され…囚人は根に貫かれ死に……そして私はなにかの根に囚われてしまったのです……。
◇
◇
◇
力を吸われ私は気絶していました……そんな私は囚われたままこの辺りまで飛ばされていました。
皆が奮闘しなんとか戦い………そして我らはここまでなんとかあのエビルツリーを押さえ込んできましたが………様々なものから力を奪い自分の力とする奴はどんどんその力を強固にし、ここまで成長してしまったのです。
ですが我らもここからの侵入を許してしまったら……エルフ達の神樹まで到達してしまう……それだけはなんとか避けねばと、我らは最終手段の技は放ち……この状況に陥ってしまったのです。
◇
◇
◇
『分かった……生き残った者は……直ちに回復へと入れ……後の事は我らに任せろ。』
『はい………ドワフロス様…………ありがとうございます。』
ドワギウスと呼ばれたその男はそのまま気絶してしまったんだ。
エルフィーナはドワギウスの元に駆け寄り癒しの光を当てていく。
すると徐々にドワギウスの怪我が癒えていく。
『ふぅ………なんとか怪我の方は大丈夫なようね……後は精霊力を徐々に回復していけば大丈夫よ。』
『ありがたい……エルフィーナ。』
『ううん……私達の神樹を生命がけで守ってくれた事……本当に感謝するわ。』
すると傷が少しは癒えた兵士は上半身を持ち上げる事までできたようだった。
『いえ……こちらこそお力をいただきありがとうございます。』
ドワギウスはそう語る。
それは流石……逞しいドワーフ兵といえよう。
するとドワギウスが口を開く。
『ドワフロス王………此度は助力をありがとうございます。』
『ああ…それで、この地下世界の地下にはきっとあのエビルツリーの根は広がっているのだろうな……ここまで広がってしまうと………』
『ええ……王の読み通り………嫌な読みは当たっているかと思われます。』
エルフィーナ……ロイズ……そして私も未だ防壁を貼り続けるドワーフ達を回復に務めていた。
するとドワフロスは口を開く。
『そうか……竜王雷武よ………聞こえてるか?』
ドワフロスの声はこの地下世界へと広がる。
そこへ返答するかのようにどこからともなく聞こえてくる雷武の声。
『ああ……聞こえている。』
『そうか……おそらくこの魔樹は全世界の地下にかなりの勢いで侵食してしまったであろう……これを始末するとなると……厄介な事だ……我らが総動員したところで果たして枯れさせる事は至難の業だ……。』
『そうだな……それを根絶やしにするには………やはり魔界までの突入しか手段はなさそうだな。』
『ああ………そしてそれは……あの魔王軍との戦いを意味する。』
『そっか………………それならいこうよ……魔王との戦いに。』
二人の言葉に私はそう口を挟む。
そう…この状況に、もう……この手段しかないと私は思ってしまう。
『勇者ラブラよ………お前の敵はあの魔王ゼルドリス……我と共に……戦う覚悟は出来たか!?』
『うんっ!!!???もちろん!!』
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