4.
ある一定の年齢のカップルというものは
二手に分かれると思う
慎重になるか、ならないか
そして、言葉数が増える
結婚の二文字を初めから背負っての両顔合わせだから
その際に私たちは、お互いをプレゼンテーションした
今後をきめていけば、
お互いの両親から似たもの同士
もう本人たちで後悔のないように決めて頂戴
と母親たちに呆れられ
父親たちからは、無言でお酒を注がれた
あれ、私男認定されちゃったのかしら
そう思ってると古閑くんと目があって
ふたりで顔を見合わせて笑うとお似合いだと兄に言われた
帰り道気になっていたことを聞いた
「やわらかい鎧ってなんのこと?」
「あ、うん
覚えてたのか」
少しばつの悪そうな顔の古閑くん
「そりゃぁね、似たようなこと思ってたから」
「僕は何?」
「言葉の鎧」
「ああ、たしかに」
嬉しそうに笑う、それは思考回路が似ていて嬉しいと
書いてあった
「似てるよな
僕の場合は、雲みたいな感じかな
触れるのに、遠い人
一定距離をとらないとその雲すら見せなくなる
ぼんやり見てる癖に
きっちり物事やり終えて
付かず離れずの距離でいて
何もないですよっていう感じの鎧を身にまとってるなっておもってさ」
「うん、ぴったりね
やわらかない鎧ね」
くすりと私は笑う
たしかに、見えない鎧を常に身に着けていた
テキ認定されるのは煩わしい
だから、目立たぬように
それこそぷかりぷかり浮かぶ雲のように漂いたかった
授業中みた、あの風景がわすれられない
暑いクーラーもない夏の教室の中
先生の眠気を誘うようなけだるい午後の授業
じとりと汗をかきながら
黒板からふと目を放して
見た空の青さ
そして雲の白さ
目を焼き、脳裏に刻んだあの風景
「古閑くんは、太陽ね」
私はいう、二人して空を見上げる
あの時ほどではない、空に浮かぶ雲
ぎらぎら輝いてるととられるかしら、と思って古閑くんをみれば
あの時と同じようにまた笑う
「雲が良く見えるだろ?」
「ええ、そうね」
そうして私は昼の間の雲になった
太陽のそばで白く輝く雲に
そして太陽を優しく隠す雲に
おしまいです
たまにはこんな話もいいかなぁーと思います
結構良い感じにまとまったかと思いますしね




