EPISODE:36「険しい戦い」
僕たちの冒険は、ついにベツハナイム王国の都市であるニューシティからアメダン地区へ舞台を移していた。
このアメダン地区では1人冒険者が多く、女王であったバニアさんの誕生した地区でもある。
またベツハナイム王国で「魔女アンドロイド研究所」が一番最初に設立された地区として有名でもあり、ニューシティ地区に続く認知度を密かに誇っている。
そして10分ほど歩いているが森みたいな状態からなかなか脱出できない中で、いきなり強い毒を持つと言うムヘビに遭遇してしまう。
「うわぁ、この気持ち悪い生き物はなんだ!?」
僕が思わず驚きながらつぶやくとマリカ様が説明してくれる。
「ムヘビは一般的な虫よりサイズが大きかったり、舌が異常に長かったりするね。あとは全身が赤色で染められていたりするの。だから独特の気持ち悪さは当然あると思う。」
そのムヘビが容赦なく襲いかかろうとしてくるため僕は慌ててムヘビのステータスを見るとレベル109あり、HPは3720ある。
さらに再生と回復スキルのレベルが20を超えているため、一筋縄では行かず長期戦になると判断した。
僕はマリカ様たちに急いで的確と思う指示を出していく。
「マリカ様は戦闘準備を、メイさんとバニアさんは守りの体制として防御準備を頼みます。」
そう言ってから細長くて2メートル超えのムヘビに対して僕は光鉄砲を2連発であわせて2000のダメージを与えていく。
完全命中しているが、弱る姿はほとんどない。
続けてマリカ様が真剣な表情をしながら魔剣で攻撃に動く。
「それならうちのとっておきの魔剣で弱らせてやりましょう!」
この攻撃で1000のダメージを与えるとムヘビは痺れ始める。
しかし回復と再生スキルで一瞬にして痺れを止めてしまう。
幸いこのターンは攻撃してこないためメイさんが得意攻撃とスキルである爆弾魔法を大声で発動させる。
「それならあたしの爆弾魔法で大攻撃だっ!」
これでさらに500のダメージを与えムヘビの動作はだいぶん鈍くなってきた。
しかしムヘビはまた攻撃しない代わりに回復と再生スキルでHPを1200ほど回復させてしまう。
それでも再度しっぽをめがけて光鉄砲で2200の追加ダメージを与えることに成功し、再び弱り始める。
ここでムヘビも攻撃に動き出し、必殺技とも言える独特な毒息を口から大きく吐き出しメイさんとバニアさんに大きなダメージを与える。
2人とも毒の影響で動けなくなってしまい、僕は2人に大きな声で呼びかける。
「メイさん、バニアさん大丈夫か!?」
「……。」
しかし2人とも口を開けようとするが声が全く出ない。
「マリカ様は2人が死んでしまわないように防御に回ってほしい!」
マリカ様に急遽を指示を出すと意識を失いかけているメイさんとバニアさんの安全確保に回りながらも僕に返事をしてくれる。
「分かった。でも良太、無理はしないでね。厳しくなったら逃げるスキルをうちが持ってるからそれで逃げて!」
その言葉に対して僕はマリカ様に真剣な表情をしながらこう言った。
「心配してくれてありがとう。でも全力でできるところまでやってみるよ!」




