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警察不信  作者: 山本正純
Episode 5 銀の弾丸
95/106

Side.095 行動開始 Action start

 喜田参事官は司会者の山田からマイクを貰いパーティー参加者に呼びかける。

「皆さん。警視庁の喜田です。このパーティー会場で犯罪心理学者の山本尊さんが殺害されました。皆様には身体検査をさせていただきます。被害者は毒物を持っていなかったためまだ犯人が所持していると考えているからです。ご協力お願いします」


 喜田参事官とパーティー会場を警備していた5人の警察官は二手に分かれてパーティー参加者300人の身体検査を開始する。パーティー会場を警備している警察官の内3人が女性の警察官でよかったと大野は思った。


 大野と海原と赤城と八雲の四人は被害者の遺留品を探す。

「不謹慎だが、殺されるとは思わなかった」

 

八雲がこのように呟くと大野は彼の顔を睨みつけた。

「言い過ぎです。ただこれだけは分かるでしょう。動機がある容疑者はパーティー参加者300名全員の可能性が高いということです。彼は政界を馬鹿にする発言もしていますからね」

 

 海原は被害者の胸ポケットに入っていた紙を見つける。

「匿名希望の招待状が見つかりました。犯人はこの招待状の送り主で間違いないでしょう」

 

 赤城はその招待状を読む。その招待状はワープロで打たれた文字のようで筆跡鑑定は不可能だった。

「拝啓山本尊様。突然のお手紙すみません。もうすぐ明日香が死んで15年になりますね。あの日のことをあなたは覚えていますか。さてあなたを来たる10月31日東京クラウドホテルで開催される大工健一郎生誕50年記念パーティーに招待します。噂ではパーティー会場を退屈な天使たちが襲撃するそうです。もしかしたら政界の不祥事の目撃者になるかもしれません。それではパーティー会場で明日香の話をしましょう」


 招待状の内容が聞こえたのか後ろの方で身体検査を待っている酒井忠義衆議院議員と井伊尚政法務大臣と瀬戸内平蔵検事とホテル支配人の大塚と神部首相補佐官の5人は顔色を変えた。

 明日香という名前に真実が隠されているのではないかと大野は疑う。


 午後9時40分。最初に身体検査を受けた司会者の山田は舞台裏でメールを打つ。

『不測の殺人事件発生。作戦に支障はありません』


 その後すぐに電話が鳴った。電話の相手はサラフィエル。

『ラグエルはん。さっき鑑識の車が東京クラウドホテルの方に向かったんやけど、急いだ方がいいか。鑑識に変装してパーティー会場に潜入するんやったら、協力するで』

「その必要はありません。不測の殺人事件が発生したので、ホテルに鑑識が向かっているのでしょう。そのことはあの方に連絡しておきました。間違っても鑑識は襲撃しないでください。不測の殺人事件を利用しなくても、我々は潜入しますから」

『ほんなら株式会社マスタード・アイスに向かうで』


 ラグエルは電話を切った。今回彼が変装したのは司会者の山田。本物の司会者をホテル内に監禁して、彼は成りすましている。つまり彼は実在する人物にも変装することができるのだ。

 そして本物の司会者の山田は、ホテルの客室に拘束されていた。彼の体はガムテープで拘束されている。その監禁場所には、ラジエルがいた。彼女はスタームルガーMkIの銃口を見せる。

「大丈夫。あと2時間もしたら解放するから」



 ラグエルがサラフィエルから電話を受けていた頃株式会社マスタード・アイスの最上階に退屈な天使たちのメンバーは集まった。

 この場にいるのはレミエルとウリエルとハニエルと鬼頭の四人だ。鴉たちは今もビル内を警備している。

「先ほどあの方から連絡が入った。ホテル内で殺人事件が発生したらしい。そんなことは気にしなくていいから、計画通り襲撃しろとのことだ」


 レミエルからの報告を受け、鬼頭は笑顔になる。

「それはよかった。あんたらのボスが容疑者になっているから、作戦を中止するだったら、ここにいるお前らを皆殺しにしないと気がすまなかったからな」

 鬼頭は高笑いしながらビルの階段を下りていく。ウリエルは鬼頭に同行した。目的は鬼頭が無駄に人間を殺害しないように監視するためだろう。

 

 残ったハニエルはレミエルに段取りについて確認する。

「レミエルさん。警視庁が流星会幹部の勝部将太を護送してきたら私も東京クラウドホテルに潜入するのですよね」

「違うな。お前だけじゃない。今こちらに向かっているサラフィエルと潜入するんだ。お前らに流星会幹部の勝部将太の暗殺は頼む。俺はラグエルからの命令で、透明人間暗殺のサポートをする」


 その時ビル内を警備している黄色い鴉からレミエルの携帯電話にメールが届いた。

『現在公安の刑事と対決中。暇だったら応援よろしくねっと』

「おもしれぇ。公安が潜入しやがったか。ハニエルは手を出すな。俺が皆殺しにしてやるからな」

 

 レミエルはデザード・イーグルを取り出し、公安の刑事たちを殺しにいった。一人になったハニエルは名刀黒薔薇を取り出す。

「レミエルさんには悪いですが、私も狩りに行きますか」

 

 ハニエルはレミエルを追い殺し合いに参加する。


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