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警察不信  作者: 山本正純
Episode 3  幻影の娘
65/106

Side.065 三発の銃声 The report of a gun of three shots

 午後6時宮本栞はデパートで戦闘機のラジコンを買った。花柄の包装紙で包まれた箱を持った彼女は心の中で呟いた。

(このラジコンをサマエルにプレゼントしに行きますか)


 彼女は佐藤真実の監禁場所に歩いていく。愛車であるハーレーダビッドソン・VRSC

でも行けなくはない距離だが、警察にマークされているかもしれない車両で監禁場所へ行くことはリスクが高いと考えた彼女は歩いて監禁場所へ向かうことにした。付け焼刃でナンバープレートを偽装しているが念のためバイクでは監禁場所へは向かわないのだ。

 

 宮本栞は歩きながら五時間前のことを思いだす。

 今から五時間前警察が小早川せつなを探し始めたということを彼女はラグエルに報告した。その報告を聞いたラグエルはウリエルにある仕事を依頼する。


『どうやら我々の中に裏切り者がいるようです。とは言いましたが容疑者は特定されています。その前に質問をしましょうか。アイスについて知っていますか』

「はい。私の手駒として使っている暗殺部隊鴉と互角に戦える程の暗殺術を持っている四人衆。そのグループマスターはガブリエルですよね。彼らがどうかしましたか」

『どうやらそのアイスの中に裏切りものがいるらしいです。これまでの一件でアイスに属するメンバー4人の内2人が殉職。そうなると動機は分かりますよね』


「メンバーを置き去りにして殺害した我々への復讐。という動機が成立するとしたら第一の不穏因子である透明人間の相棒が誕生することになる」

『だから早めに狩ってください。このことをレミエルにも話しましたからいいサポートがもらえると思います』

 

このことを回想していたウリエルは横断歩道の手前で立ち止まる。

(暗殺ならレミエルに頼めばいいのに)

 


 丁度その頃神奈川県警の狩野は帰路につきながら電話を受けていた。

「木原巡査部長。何ですか」

『調べてほしいことがあります。宮本栞の戸籍についてです。分かり次第連絡してください』

「分かった。明日の午前10時までに調べておこう。今から役所に行っても閉まっているからな」

 

 その時三発の銃声が東の方角から鳴り響いた。銃声に反応した狩野は電話を切り、銃声がした方角へ走っていく。

 二分間走ると数人の野次馬が集まっていた。

 狩野は警察手帳を見せ野次馬に合流する。

「神奈川県警捜査一課の狩野です。道を開けてください」

 

 警察と聞き野次馬は道を開けた。野次馬たちの中央に辿り着いた狩野の目に入ってきたのは見覚えのある女の射殺体だった。

「間違いない。萩原聡子だ」

 

 萩原聡子は7月に発生した連続通り魔事件の第一の被害者だ。萩原が関わった連続通り魔事件の被害者たちは最終的に死亡していった。第二の被害者である安田友美は殺され、第三の被害者渋谷可憐は自殺した。これで連続通り魔事件の被害者は全員死亡した。

 萩原の射殺体を見た狩野は呟いた。

「まさかあの連続通り魔事件は終わっていなかったのか」

 


 その様子を野次馬に混ざったウリエルは見ていた。萩原の射殺体を見た彼女はラグエルにメールを送る。

『3人目の殉職者が現れました』


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