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警察不信  作者: 山本正純
Episode 3  幻影の娘
58/106

Side.058 捜査開始 Criminal investigation start

お待たせしました。小早川せつなの謎に挑む話が始まります。

 菅野と須田が密会をしていた頃木原と神津は捜査についての相談を合田にしていた。


「合田警部。気になりませんか。あのウイルスの唯一の感染者が退屈な天使たちに拉致されたというこの状況が。それともう一つ気になるのが佐藤真実はコンビニ強盗事件の人質だったということ。国枝が拉致されてアメリカに放置された事件と関連があるかもしれません」

 

 木原の言葉に続くように神津も合田に話しかける。

「もしかしたらこの事件には陰謀が隠されているのではないかと俺たちは考えている。佐藤真実の人間関係について捜査してもいいか」

 

 合田は木原たちの申し出について二つ返事で了承する。

「いいだろう。その代り国枝博についての捜査に進展があったら、捜査を中断しろ」

「はい」

 

 こうして木原と神津は佐藤真実についての捜査を開始した。

 


 午前10時木原と神津は東都大学を訪れた。コンビニ強盗事件の人質の一人である牧田誠も佐藤真実同様東都大学四年生だったことから彼女を関係があるのではないかと思ったのだ。

 

 まず二人は事務室に顔を出す。

「警視庁の木原です。牧田誠さんに会わせていただきますか」


 刑事の申し出を聞き事務室に勤務する職員は顔を曇らせる。

「牧田君ですか。彼は今年の9月10日に退学しましたよ。商店を継ぐという理由で」

 

 退学したという事実を聞き木原たちは事務室を出た。

 

 大学内で途方に暮れていると背後から聞き覚えのある声の男が声をかけた。

「また会いましたね。刑事さん。今度は何の事件ですか」


 二人が背後を振り返るとそこには中林が立っていた。彼は二つの事件で木原たちの捜査に協力した大学教授だ。

 木原は中林教授に藁をもすがる思いで事情を話す。

「佐藤真実さんの人間関係について捜査しています。彼女の身近な人間の中にテロ事件の真相が隠されている気がして」 


 神津は目を細くして中林に相談する。

「彼女の友人ではないかと思った牧田誠が退学していることが分かったから捜査にいきづまっている。まあ他にも友人がいるなら聞き込みを開始するが」

「彼女の身近の人間か。それなら久保田太郎君に話を聞いた方がいいかもしれないな。彼は今講義を受けているころだが、10分もすれば休憩時間だ。その時に呼び出そうか」

 木原と神津は頭を下げる

「お願いします」

 

 捜査協力者を手に入れた木原たちはガッツポーズをした。携帯電話で講義終了後に久保田太郎を呼び出すように連絡した中林教授は木原たちに気になることを打ち明ける。

「久保田太郎君は最近おかしい。いままでは倹約家で有名だったのですが、最近高級な腕時計を着けて登校しているし、友人に食事をよく奢る場面が増えてきました」

 この証言が気になった木原は中林に質問する。

「それはいつからですか」

「確か9月10日からだったかな」


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