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警察不信  作者: 山本正純
Episode 3  幻影の娘
55/106

Side.055 生中継映像 Live broadcast image

 10月24日午前8時刑事部長室で千間刑事部長と喜田参事官と月影の三人は会議をしていた。昨夜佐藤真実が病室から姿を消したのだ。警察病院に事情を聞いた喜田は推理を始める。

「昨夜警察病院に侵入者が現れ、夜勤の看護師たちを睡眠ガスで眠らせたうえで佐藤真実を病室外に連れ出した。手際が良すぎる犯行から犯人はプロの可能性が高いでしょう」


 その時警察病院を退院した北条が刑事部長室を訪れた。北条は右手でノートパソコンを持っている。

「千間刑事部長。昨晩病室から姿を消した佐藤真実が発見されました。これを見てください」

 北条はノートパソコンを開き、ある動画を見せた。その動画に映っていたのはブラッディティア唯一の感染者佐藤真実だった。佐藤真実の体はガムテープで拘束されており、口もガムテープで覆われていた。千間たちは動揺を隠せない。北条は説明を始める。

「この動画は株式会社センタースペード人質籠城事件の時に発見した求人サイトの裏サイトで今日の午前5時から公開してある動画です。この動画のコメント欄に本日午前9時より一般向けに生中継開始と書いてあります。このコメントは犯人からのメッセージと考えていいでしょう」


 喜田はこのコメントを読んでも納得できなかった。

「愉快犯の可能性もあるだろう。そのメッセージを鵜呑みにしたら痛い目に合う」


 その時刑事部長室の電話が鳴った。千間は電話に出る。

「千間だが何かあったのか」

『実は・・』

「そのメールを北条のパソコンに添付してくれ」

 

 千間は電話を切ると喜田たちに報告をする。

「どうやらこの動画の投稿者は退屈な天使たちらしい。各都道府県警察とマスコミ各社に奴らの犯行声明が書かれたメールが一斉送信されたそうだ。今そのメールが北条のパソコンに届く」

 

 北条はメールソフトを立ち上げる。警視庁から添付されたメールが届いていた。北条はメールを読む。


「各都道府県警察のみなさんとマスコミのみなさん。第三のゲームを始めようかな。我々退屈な天使たちはブラッディティアの感染者佐藤真実を監禁しています。それでは一つずつ要求を伝えようかな。まず各都道府県警察のみなさんは一億円ずつ身代金を用意してください。47都道府県警察だから身代金は47億円。そうしたら彼女を解放するよ。ただし取引は怪物たちが蠢く夜1分前からだから。それより早く取引をすると彼女は解放しないから注意してね。監禁場所を特定して取引を回避するなんてことは無駄だから。マスコミのみなさんは本日午前9時から公開する生中継動画を宣伝してください。動画の内容は監禁している佐藤真実の姿を生中継で放送するものです。もしかしたら彼女が死ぬ瞬間が見られるかもしれません。それでは検討を祈ります」


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