デリカシーはまだあった。
穏やかにしかし容赦なくユナカイトを追い立てようやく登校の準備も完了したアイリは、彼が玄関を出た後に続き家を出て鍵をかけた。
準備万端である。
「アイリ、これお小遣い。
今日は昼を食べたら終わりだろう?俺は明日からの休みに備えて仕事をするから、下手すると泊まりかもしれないんだ。
だから用意はいらないよ。
このお金で帰りにお菓子でも買ってメリッサちゃんと食べるといい。ついでに夕食も店かなにかで買ってくるといいよ。」
「え、こんなに!?
良いんでしょうか…?」
また仕事溜め込みやがったな…と胡乱な目でユナカイトを見たが、渡された巾着の中身を見てぎょっとする。
小銅貨十枚に中銅貨二十枚銅貨が二十枚、なんと銀貨まである。
明らかにもらいすぎである。
「うん?今日で使いきれってわけじゃないから。
多分明日からもらえる休日いっぱい俺は出掛けてるから、その間のアイリの生活費。もしかしたらレンドリックが泊まるようにいってくるかもしれないし、その時は食費として渡して。
それにほら、入り用なものとかさ、メリッサちゃんに付き合ってもらって買ってくるといいよ。」
「入り用なモノって…何ですか?」
アイリは首をかしげユナカイトを見る。
ユナカイトは視線をそらして言葉を濁した。
「うん、そのね…」
「だからなんですか!」
ずけずけ言うユナカイトが言葉を濁すなと珍しい。
アイリがつめよってもユナカイトは白状せず、明日の朝食もイラナイヨーと言って去っていった。
入れ替わるようにしてメリッサがやって来る。
さっきの事を話すと、苦笑して言った。
「うーん、多分だけど…ほら服とか…言いにくい所で下着とか買ってきたらって事じゃないかな?
アイリちゃんまだまだ成長期だし。今着てる服、見たところ裾あげほどいた後だよね?これからすぐ小さくなるよ。」
「だからはっきり言わなかったんですね。」
「さすがにねぇ…カッコいいとは言っても下着買ってきなよ~って言われたら引くよね。」
「ユナカイト様にもデリカシーってあったんですね~、あっ、お金は全部持ち歩くの怖い額なので家に置いて来るから待っててくれる?」
「うん、待ってるよ~」
気を使ったのにひどい言われようで可哀想かなぁともメリッサは思ったが、いつものユナカイトの姿を知っていれば仕方がないのだろうと妙に納得してしまったのだった。
一応通貨設定
小銅貨50~100円位
中銅貨500円位
銅貨1000~2000円位
銀貨5万円位
金貨50万~100万位
の設定。額の幅が広いのは重さとか厚さとかでやや変動する…つーふわっと設定。
銅貨より下って何?
青銅?アルミ?真鍮?と考え出したら頭がパーンとなり本読んだりネットあさって出した結果です。
違うよーって言う意見もあるとは思いますが、騎士様の下働きの世界ではそういう設定でございます。ので、悪しからずご了承ください。




