ぴっかぴかの、
お久しぶりです。
「よ、よしっ…!」
玄関の鏡の前で先程から色々な角度から自分を眺めていたアイリがそう呟くのをユナカイトはこっそり見ていた。
アイリは真剣になりすぎて眉間にシワがよっている。可愛い顔が台無しである。
いや、こっそり見るつもりは無かったのだ。
無かったのだけれど、トイレに行くには廊下を通らなければならないので何だか出て行きずらくて現在に至る。
先程までは笑顔の練習をしていたので、本気で出るに出られなかった。
そろそろ限界なのでユナカイトはあくびのふりをしながらさり気なく廊下に出た。
「ふわぁ~、おはようアイリ。
今日から学校だね、頑張ってね!」
「おはようございます。はい、ありがとうございます。
今、お部屋にたらいお持ちしますね。」
何事もなかったかのようにきびきびとした返事をするアイリ。
ユナカイトは吹き出しそうになるのをこらえながらトイレへと向かうのだった。
朝食は文句なしに美味しかった。
ユナカイトがふと向かいを見るとアイリはぼんやりフォークを持ったままサラダを見つめている。
「アイリ…緊張してる?
大丈夫だよ、メリッサちゃんも居るんだから。」
「えっ、は、はい、そうですね…大丈夫です…」
びくりと体を震わせしどろもどろに返事をするアイリ。大丈夫そうではない。
大人に対して物怖じしないが同世代だと駄目らしい。
そこら辺は子どもらしいなぁと呑気にユナカイトは思うが本人にとっては重大な悩みに違いない。
「逆に聞くけどさアイリ、メリッサちゃんはアイリが変なことしたり失敗したからって避けると思う?
アイリもメリッサちゃんが失敗したからって嫌いになる?」
「そんなことありません!」
ガタンと立ち上がって言うアイリにユナカイトは微笑んだ。
「だったら大丈夫。
アイリが不安なようにメリッサちゃんだってドキドキしたり不安に思ったりしてるはずだよ。
お互い様なんだから気にしないの。」
「はいっ!」
やっと笑顔になったアイリは朝食を平らげ始める。
ユナカイトは微笑んで見守っていたが、
「ではユナカイト様、私が出る前には家を出てくださいね?
片付けもあるので早く支度をしてもらえるとありがたいです。」
と、アイリにピシャリと言われてしまった。
「えー?戸締まりと後片付けぐらい自分でできる…」
「……」
「…はい、今すぐ準備するよ。ホントだよ?」
とても冷たい目でアイリに見られたのでユナカイトはすごすご部屋に向かう。
「ありがとうございます、ユナカイト様。
お弁当も用意してありますからよければお持ちくださいね。」
本当、つくづくできた下働きだと苦笑しながらユナカイトは食堂をあとにしたのだった。
いよいよ登校です!




