ガッチガチやで。(緊張で)
ユナカイト達に続いてアイリが店に入ると、店の中心にはテーブルが長々とつながり料理がところせましと並べられていた。
夕食はビュッフェ形式のようだ。
「ユナカイト団長、皆そろっています。」
レンドリックがユナカイトに声を掛ける。
店には沢山の老若男女がすでにいた。
飲み物が配られ、ユナカイトの乾杯の合図で銘々に飲食や食事を始める。
幼い子を持つ家庭や新婚家庭は今回は参加させていないとのことで、いつもよりは人は少ないらしい。
「ユナカイト団長、娘を紹介してもよろしいでしょうか?」
ほどよく飲み食いして、一息ついたとき、レンドリックがやって来た。
「やぁ、メリッサちゃん久しぶり。いつもお父さんには助けてもらってるよ。」
「悪びれずに言いますわねぇ。
この間はありがとうございます、レンドリック様。
」
「とりあえずユナは這いつくばってお礼を言ってから話すべきだと思うよ。
レンドリック隊長、いつも苦労をかけています。ありがとう。」
ユナカイト、エリザベール、アルベイルの順に声を掛ける。
お嬢様のエリザベールが隊長格の名前を知っていて、あまつさえ感謝をのべるなどおかしな感じだ。
謎はすぐにとけた。
空気読めないユナカイトがエリザベールはひどい方向音痴でアルベイルに会いに来ると高頻度で迷うとチクったからだ。
すぐさま足の甲にエリザベールの抗議のピンヒール攻めが始まりユナカイトが呻くが誰も気にしない。
通常運転のようだ。
「アイリちゃんだったね、大丈夫かい?」
微笑んでいるであろうレンドリックの顔は怖かったが、アイリは笑顔で頷いた。
大丈夫かどうかはこの前のパイ強奪未遂事件での擦りむいた傷の事だろう。
「さぁ、メリッサ挨拶なさい。」
「娘のメリッサです、はじめまして。」
ペコリと頭をさげたメリッサの声はハスキーボイスだった。
こげ茶の髪に、榛色の瞳は父レンドリックと同じ色だ。
「私に似てかわいい子でしょう。」
『『全然似てない。』』
ユナカイト達に総ツッコミされ、そのままレンドリックは引きずられ大人組みは退場していった。
仲良くね~、とのんきに声をかけて。
「あの、お名前は?」
ちょっと緊張した顔でメリッサが問いかける。
同じく緊張した顔でアイリも答えた。
「ユナカイト様の下働きのアイリでしゅ。」
噛んだ。




