げきおこなの。
その日、警備を担当する兵をまとめあげるレンドリックは機嫌が良かった。
カリスマあれど仕事をさぼりがちのユナカイトの書類が早く終わった為、昨日は定時に帰宅でき一家団欒をすることができた。
強面でもなんだかんだでマイホームパパなレンドリックは連日子ども達の寝顔しか見れない日々はけっこうこたえていたのだった。
そんなこんなで昨夜は心身ともにリフレッシュできたレンドリックは優しい気持ちに溢れていた。
部下達にちょっと長めに昼休憩を持たせてやろうと門番の詰め所に来るまでは、まさか怒りに震える事となるなど想像していなかった。
彼が門の側で見た光景は、部下達が幼い少女を取り囲んだあげく、少女のかごを奪い、その中身に手を伸ばす姿はだった。
「きさまらなにをしている…っ」
レンドリックの地を這うような声がその場に響いた。
★★★★★★
『もっと食べたいけどもう入らないなぁ。』
家事を全て終え、夕食の献立を考えはじめたアイリは、出掛けにユナカイトが残念そうに言っていたのをふと思い出した。
ビーフシチューはもうそれほど残っていないがミートパイのようにしたら美味しいかもなぁ…と思い付く。
娼館に泊まるとか仕事が徹夜かもとか言っていた気もしたので、それを確認ついでに差し入れに行こうと決めさっそく作り上げ、ユナカイトの父君が贈ってくれた重さを軽減する大きなかごを持ち、母君が贈ってくれたお出掛け用の服と頭巾を身に付け出かけたアイリ。
門番に取り次ぎを頼むが断られたので、帰ろうとした…が、あろうことかかごを取り上げられ中身を強奪されかける。
かごを捕られた拍子に転んで膝を擦りむいたアイリは声を出さずに泣いた。
悔し泣きである。
シュトーレン領での悪夢が蘇る。
なにもできない自分への憤り。
そこに響き渡る、怒りをはらんだ声。
瞬きする間に門番達四名は殴り飛ばされ、アイリは強面の男に抱き上げられた。
「お嬢さん、大変申し訳ないことをした。
とりあえず、怪我の手当てをさせてほしい。そして事情を聞かせてほしい。」
顔は怖いものの、優しそうな雰囲気を察したアイリは小さく頷いた。
なお、この後殴られた門番達は過酷な訓練という名のしごきと、ユナカイトによる手合わせという名の地獄をみることとなるなどアイリは知らなかった。
知らせを聞き付けたユナカイトがかけつけ、
赤ずきんちゃんなアイリの可愛さに思わず抱き締めたことで、ユナカイトはロリコンであるという噂が城を駆け巡り多くの女性の嘆きと、男達の爆笑をもたらすのは本人達の知らない余談である。
そのお陰で、ユナカイトファンが門番に詰め寄ったり異物混入の贈り物が届く事が減り、レンドリックのいらない仕事が減り、アルベイルの心労が軽減されるのはもう少し先の話となる。
新キャラはオッサンでした。




