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庭にできたダンジョンではどうやら時間が止まるらしい~ダンジョン攻略が楽しくて無限に潜っていたらいつの間にか世界最強になっていました~  作者: AteRa
第一章:無限ダンジョン編

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第八話「会社を辞めても悔いはない」

「いやぁ! 会社を辞めちまったぜ! はははっ、これで俺も立派な探索者だ!」


 ダンジョンから出てきた直後、俺は会社に電話して辞める旨を伝えた。

 俺を虐めてきていた上司は焦っていたが、いいザマだな。


 そう上機嫌でソファに座り込み、俺はテレビをつけた。


「……ねえ、何でこの小さな箱の中に人がいるの?」


 リビングを興味深そうに眺めていたエレナは、そのテレビを指さしがならそう尋ねた。


「ああ、それはテレビって言うんだけど……説明が難しいな」


 それから俺は頑張って映像というものについて説明していく。

 理解させるまで一時間ほどかかったが、ようやく理解してもらえたらしい。


「なるほど……映像ってものは凄いわね……」

「まあ、まだまだこんなのは序の口だけどな」


 そう言いながら俺はエレナの姿格好を眺める。

 古い民族衣装みたいな洋服を着ている彼女は間違いなく現代日本では浮く。

 コスプレといえば何とかなるだろうが、ずっとこのままのわけにもいかない。


「そうだなぁ……まずは買い出しに行かないとな」

「買い物? 何を買うの?」

「そりゃあエレナの日用品とか洋服とかだな」


 俺の言葉に彼女は頷くと言った。


「確かに私のものはないものね」

「そうだな。後は明日にでも他のダンジョンも潜ってみよう」


 他のダンジョンに潜るのは少し怖いがね。

 そこでは魔物たちの攻撃が俺たちに届くということだからな。


「そうね。私も他のダンジョンというものに興味があるわ」

「だろう? あと探索者として稼ぐなら、やっぱり公共のダンジョンに行ったほうがいい」


 そして俺たちは買い出しに行く準備をして、家を出る。

 現在は昼下がりの時間帯で、街は人がまばらに歩いているだけだ。

 それでも東京の人の多さにエレナは驚いていた。


「現代ってこんなに人がいるものなのね」

「そうだなぁ、これでもまだ全然少ない方だぞ」

「そうなの? これ以上ってなると恐ろしいわね」


 まあ中世の田舎村で過ごしていたらしいエレナからすれば、この人口密度は恐ろしいだろうな。

 よく分からんが、中世の田舎村って言ったら、人口数十人とかだろうし。


 そして電車やら高層ビルやらにいちいち驚くエレナを面白がりながら、俺たちは買い出しをしていくのだった。



   ***



「ねえ、あのひと際背の高い建物は何?」


 人がまばらな電車の中、そう言ってエレナが指さしたのはスカイツリーだった。


「ああ、あれはスカイツリーって言ってな、634mあるんだぜ?」

「へえ……凄いわね。あの上に上がるのって大変じゃないのかしら?」

「いや、全然大変じゃないぞ。エレベーターが付いてるからな」


 俺の言葉に彼女は納得したように頷く。

 エレベーターはショッピングしているときに何度か乗ったからな、彼女ももう知っている。

 初めて乗ったときはビックリして大声を出したから、こっちまでビックリしたけど。


「そうだ、スカイツリーの天辺に行ってみるか?」


 俺が言うと彼女は不思議そうに首を傾げた。


「あの上って誰でも行けるものなの? 位の高い人だけじゃなくて?」

「ああ、お金を払えば誰でも行けるぞ」

「ふぅん……流石は現代ね。あまり身分差みたいなのはないのね」


 あるっちゃあるが、中世とかに比べれば確かに無いも同然かもな。

 俺は頷くと、東京スカイツリー駅で降りて彼女をスカイツリーまで案内するのだった。



   ***



「わぁあ、凄い景色ね……。街が一望できるわ」


 展望台まで上がると、彼女は巨大な窓から東京を見下ろして感嘆の声を上げる。

 そう言いつつも窓ガラスに慣れないのか、俺に引っ付いたままだったが。


「だろう? これが現代の東京だよ」

「私の生きていた時代なんて比べ物にならないくらいに凄いわね。どこまでも街が広がってるわ」


 驚き楽しんでいる彼女を見ていると、連れてきて良かったと思う。


 ちなみに今の彼女は少し持ってきた魔石を売って手に入れたお金で、それなりに質のいいワンピースを買いそれを着ている。

 銀髪美少女だからどんな服でも似合うと思うが、パステルカラーのワンピースは凄く似合っている。


「ありがとう、レン。あなたのおかげで人生一楽しめた日になったわ」

「ははっ、こんなのはまだまだ序の口だよ。現代には楽しいことがいっぱいあるからな」


 そう言うと彼女は瞳を煌めかせる。

 特に日本は娯楽に溢れてるからな。

 まだまだ案内したいところでいっぱいだった。


「でも今日はもう遅くなりそうだし、帰ろうか」

「そうね。そうしましょう」


 そして俺たちは連れ立ち家に帰った。

 本当は居酒屋とかにも一緒に行きたかったが、まだ彼女は未成年なので入れなかった。



   ***



 次の日、俺たちは公共ダンジョンに行く前に、東京駅にある探索者ギルド本部に寄った。

 彼女はもちろん身分証とか持ってないので、身元を証明するものがない。

 どうするか一晩調べていたのだが、どうやら探索者ギルドでは身分証を発行できるらしい。


 ダンジョンが家に飲まれた場合とか、両親がダンジョンで亡くなった場合とかで、身分証を発行できるようになっているとのこと。

 ステータスがあれば探索者カードというものが発行でき、それが身分証になるとか書いてあった。


 俺たちは探索者ギルド本部で受付番号を貰い、ひたすら待つ。

 すると十分ほどで名前を呼ばれた。


「よし、行こうエレナ」

「ええ、そうね」


 そして受付番号が書いてある受付の前に行き、手続きを開始した。


「今日のご用件は何でしょうか?」

「ええと、彼女の探索者カードを発行したいんだけど」

「畏まりました。ステータス画面を確認してもよろしいでしょうか?」


 その言葉にエレナは頷き、ステータス画面を空中に表示させた。

 そして受付の女性はそれを見て、驚きの声を上げる。


「147レベル!? ……し、失礼いたしました。相当高位の探索者だったもので」


 147ってそこまで驚くほど高いのだろうか?

 そういえば探索者ランキングとか見てなかったな。

 後で見てみよう。


 そう思いつつ、手続きを続ける。


「ええと、このステータス画面を見せればいいだけですよね?」

「あ、はい。ステータス画面は現時点で一番信用できる情報ですので、これで十分です。これの写真だけ撮らせて貰い、そしたら探索者カードを発行いたします」


 確かにコンピュータのデータとも違い、人の手で介入できるものではないからな。

 そうしてエレナは簡単に探索者カードを手に入れることが出来たので、そのまま公共ダンジョンへと向かうのだった。

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