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「さあ、次だ次!」


「とりあえず先に招待状を見て貰ってもいい?こんな感じでどうかな?」


「……うん、いいと思うわ。ふふ、可愛い……」


「俺もいいと思います」


 よかった~、2人がいいならいいと言うことで。よし、後で印刷しよう。先に……


「サマンサさん、ミーナさんお待たせしました。さっきの映画が始まってすぐくらいに家が完成したと大工さんが報告に来てくれました!さっそく行きましょう!」


「まあ!完成したのね!嬉しいわ!」


 みんなでぞろぞろとサマンサさんの新居へ向かう。門の鍵を開けて、預かっていた玄関の鍵を渡す。

 庭も外灯がいい感じに配置されて、小さな噴水のある可愛らしい薔薇園になっている。

 

「ドキドキするわ~……うふふ」


 ガチャッ……鍵を開けると、正面に中庭が見える。

 広目のエントランスに、階段がある。サマンサさんはまず右に見えたドアを開けた。応接間には、ロココ調の応接セットが置いてあった。

 そう、大工さんが知らせに来てくれてすぐに一緒に家に行き、照明を全部つけてから帰って貰った。

 その後お気に入り登録していた家具をどんどん出していったのだ。

 

 元々サマンサさんが愛用していた家具は、ワルイナ親子が売り払ったり傷をつけたりしていたらしく、泣く泣く諦めたのだ。

 がさつな男達のせいで傷ついた家具は色々思い出してしまうので使いたくないし、売られたものもいい物だったらしく、すでに買い手がついて新しい家へと行ってしまったので、返せと言うわけにもいかなかった。

 せめて買い取ったお店に残っていればよかったのだが、綺麗さっぱり売れてしまっていたとか……

 なので、家と一緒に予算が当てられたので、予算内で出来るだけいいものを選んだ。

 本人に確認すれば、確実に安いものを選びそうだったので、そこは好みを聞きつつ私が選ばせて貰った。


 ちなみに、アイテムボックスやクローゼットに仕舞っていた宝飾品も家具と同じで、ワルイナ親子が私物化するか売られたかのどっちかだったらしい。

 唯一、プロポーズされた時に貰った指輪だけは、クローゼットの引き出しの奥に、1枚別の板を張った隠しスペースに入れていたようで無事だった。

 さすがに備え付けの棚は売れないので、無事気付かれることなく残っていて、今はライアンが預かっている。

 アイテムボックスも無理矢理オープンウィンドウにさせられて全て奪われた経験から、自分で保管するのが怖いらしい。

 なので、新しい家のにも隠しスペースを作った。ちなみに作ったのはアンドレで、どこに作ったのかはアンドレ以外誰も知らない。

 

 上品な花柄の壁紙の応接間を見て、サマンサさんが感動している。家具も気に入ってくれたようでホッとした。


「次のドアはキッチンです。サミーがメインで使うと言うことで、ブルー系にしてみました。爽やかでいい感じでしょう?パントリーも広いんだよ~」


「うわっ!広いっすね!むしろ職場より広いっすね!早く色々作りたいっす!」


 うんうん、気に入ったようでよかった。次はお客さん用のトイレを見て、反対に回ってリビングへ行く。


「うわ~、落ち着くリビングね。あら、この足元で動いてる黒いのは何かしら?」


 リビングは全体的に白に観葉植物のグリーンで落ち着く色合いになっている。左には庭、右には中庭の緑で昼はいい感じに光りも入ってくるのだ。


「あ、これはお掃除ロボットですね~。勝手に床のお掃除をしてくれます。サミー君に説明書渡しときますね」


 リビングにはテレビも置いて、DVDが見れるようにした。リビングの本棚におすすめの映画をいくつか入れている。

 もちろん、おすすめの小説なんかも入れてみた。とは言え、何系が好きかよく分からなかったので、モンゴメリーやオースティン、推理系や恋愛ものなど適当に人気のものを置いてみた。


「おお、このベッドいいな」


「ちょっ!女性の寝室で何してるんですか!本人より先にベッドで寝るとかあり得ない!」


「まあまあ……うふふ、寝た後じゃないから大丈夫よ~。サミー坊や、洗浄魔法かけといてね。うふふ」


 あ、サマンサさんの目が笑ってない気がする……って寝た後じゃなくてか……確かに使った後のベッドに寝られるのはゾッとするかも。


「2階も見ますか?」


「ここがミーナさんの部屋です……レディの部屋なのでミーナさん以外見るのは禁止です!」


 またさっきみたいになるのは、何としても阻止しなければ!


「む?サマンサ以外のベッドは興味無いぞ」


 はいはい、そう言いつつ客間のベッドで寝てるし……


「あら~、客間が2つあるのね。サミー坊やとハンス様は泊まっていけばいいんじゃない?今から映画の続き見たら遅くなっちゃうでしょう~?」


「い、いいんっすか?有り難いっす!……ミ、ミーナさんと1つ屋根の下……」


 ん?最後の方聞こえなかったけどまあいいか。


「じゃあ遅くならないうちに映画の続き見ますか?次でとりあえず終わりです。また別の話もあるけど、それは今度見ましょう」


 てことで、またみんなでシアタールームに戻った。さすがにお腹すいたので、ご飯を食べながら見ることにする。

 ただ、昨日と違ってミーナさんもサマンサさんも、みんなと一緒に床がいいと言うことで、座椅子を2人に使って貰い、足りない分の座布団を出してローテーブルで食べることになった。

 今夜は何にしようかな~。


「麻衣殿、今日は麺類以外を食べろよ」


 ああうん、そうですね~

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