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 カフェに入ると、ハンスがみんなに囲まれて、義足を自慢していた。


「ハンス様……本当によかったですね……」


 ダリアが泣いている。そうだね、本当によかったよね……ああ、世話になったなと一言だけ返し、ハンスは別のメンバーと話している……あえて見込みは無いよと言う感じで冷たくしてるのかな?まあね、ハンスの心はアンドレの物だからね……


「あ、そうだ!写真屋さんが出来たから、色々入れていかなきゃだね~。えっと……スタッフは……ダリアさん、衣装を一緒に出して貰えますか?他の女子達も手伝って貰っていいかな?」


「あ、俺も写真屋なんで手伝います!」


「ありがとうハンス。でも、とりあえずドレスとかを先に出しちゃうから、また後でお願いするね」


 ってことで、女子みんなで写真屋さんへ移動する。とりあえず衣装から出そう。

 お気に入り登録していたハンガーを出して、ドレスを出していく。中世ドレスで調べたら、コスプレ用なのか袖付きのそれっぽいドレスが結構あったんだよね~。


「サイズがワンサイズなんだけど大丈夫かな?これとこれは後ろで編み上げなんだけどね~」


「大丈夫ですよ。袖さえ入れば背中は閉まらなくても写真では分かりませんし、逆に余るようでしたら背中にピンを止めてピッタリさせますので任せてください」


 あ、なるほど。確かに写真だけだったら前しか見えないから大丈夫か。腕がね~……入ればいいけど……以前の私だったら入らない自信があるわ~。

 結婚写真用にウェディングドレスもいくつか出してみる。お色直し用のカラードレスも可愛いのが色々あった。背中編み上げなうえに、大きいサイズもあったので、あっちが入らなくても大丈夫だろう。

 ただね~、やっぱりどれも袖無しなんだよね~。とりあえずレースのボレロやケープ?ショールも色々出しておく。

 可愛い可愛いとキャーキャー楽しそうに女子達がはしゃいでいる。


「あ、そうだ!明日にでもモデルお願いね~。スタッフに来てもらって、練習しなきゃだね~」


「え?これが着れるんですか?嬉しい!」


 ふふふ、可愛いな~とはしゃぐ女子を横目に、大きな鏡を出すと、さっそくドレスをそれぞれ胸に当てて見ていた。

 他のコスプレも色々出していく。メンズのスーツや子供用の可愛いのも用意しなきゃね~……あれ?なんかみんな微妙な顔で手に持っていたドレスをハンガーにかけて、黙々と作業を開始しだした。


「あれ?みんなどうしたの?ドレス微妙だった?やっぱり袖がないからダメかな?」


「あ、違うんです……ドレスが素敵すぎて、あまりに似合わなすぎてちょっと……」


「わかる……」


 え?似合ってると思ったけどな?


「あ、もしかしてお客さんも同じような反応になっちゃったりしないよね!?ダリアさん、この子に似合うドレスを見繕って、可愛く仕上げてくれませんか?出来ればあまり時間をかけずに……」


「かしこまりました……そうですね、貴女は髪の色的にこういう色の方が似合うと思うわ。ボレロがいいかしら?ショール?」


 よし、とりあえずダリアに任せてスタジオの方に行こう。端に2つ試着室がある。カメラがここで、あそこで撮るから、ここにドレッサーを置こう。

 たくさんの色が入った化粧品に、筆やスポンジは毎回洗って清潔に保てるようにたくさん出しておく。

 ヘアメイクの道具も色々出して、こんな感じかな?あ、服が汚れないようにケープも出しとかなきゃだね。


 試着室に2人で入っていくのを、他の子達も興味津々で気にしつつも、衣装を袋から出してハンガーにかける作業を黙々とこなしてくれていた。さすが、みんな働き者だね。

 着替えを待つ間に、背景用のロールスクリーンや照明を出して、コードは床に止めていく。

 カメラに三脚、脚立も使うよね?あとはパラソルやなんやと小道具も用意する。


 着替えが終わって次はメイクをするようだ。その前に髪はホットカーラーで巻いておくらしい。

 

「みんな、今からメイクするみたいだから手を止めてこっちにおいで~」


 気になってそわそわしていた子達を呼ぶと、喜んで集まってきた。ダリアが髪やドレスに合わせてメイクはこの色がいいとか色々説明しながらメイクを仕上げていく。すごい、プロのメイクは本当にすごい!

 髪をハーフアップで結って、可愛い髪飾りをサイドにつけると完成のようだ。ケープを外すと、いつもの活発な感じは残しつつ、ちょっとお転婆で愛らしいお嬢様の出来上がりだ!

 さすがプロのメイドさん……これは本当にいい人材を雇えて嬉しい!


「私なんてまだまだですよ。お城で働いていた方に比べると、足元にも及ばないと思いますよ?」


 謙虚~!本当にいい子だな~……ハンス……あんたなんでこんないい子がいるのにアンドレと……


「すごい可愛い!」


「え?本当にソフィアなの?」


「うそ、どこのお嬢様?」


「これだけでもやって貰う価値あるよね!この姿を写真に残せるなんて……凄い凄い!絶対大人気ですよ!」


 みんな大興奮でソフィアの変身を褒め称えている。そうだよね、めちゃくちゃ可愛いよね!


「よし、じゃあ次は写真だね!ダリアさん、こっちに来て。カメラはハンスが使ってるから知ってますよね?これをこうして……」


 といつも通りカメラの使い方をレクチャーして、いざ写真撮影だ。う~ん……ダリアちょっと真面目過ぎるんだよね~……

 撮られる方も緊張しちゃうな~。ここはやっぱり人たらしのハンスの出番かな。自然な表情を引き出すコツを、しっかり教えてもらってね。

 ってことで呼んできますか……

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