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やっぱり気になるガレージハウス……あ、100人乗っても大丈夫なやつはどうかな?バイク用だと奥行きも3m47だって。
これだったら壁もカスタムしやすそう!ドアつけたい……大工さんが外にいっぱいいるし、聞いてみよう!
「この素材は金属ですか?まあ出来るっちゃ出来るけど、1から小屋を作ればよくないですか?」
「た、確かに……それだったらこのおしゃれなやつとか出来ますか?床も欲しいけど、基礎までは要らないです。物置みたいな感じで置くだけなやつを。
前面はシャッターで全部開く感じで、側面の真ん中らへんにドアが欲しいです。
屋根はフラットで、ソーラーパネルを置きたいな壁も物置みたいな感じで簡単な感じで、コンセントをこことここに欲しくて、シンクもここに欲しいです。出来ますか?」
「おう、材料があれば1日か2日で出来ますよ。色はどうしますか?」
「ちょっと派手なピンクがいいかな。オーニングテントは水色と白の太めのストライプで!」
「は、派手っすね……」
だってアイス屋さんって言ったらやっぱり派手可愛いでしょう!サイドにアイスの絵でも描いて貰おうかな~。え?絵は無理?そうなんだ……私も無理……
「あ、サイズは……6種類の冷凍ケースでいいよね?1290だから、横にレジ台を置いて2m位かな。
奥行きは冷凍ショーケースと、後ろにストック用の冷凍庫とシンクを置くから、740+750と人が立つスペースで、2m50くらい?」
ストック用の冷凍庫をコールドテーブルにするから、コーンとかは上に置けるし大丈夫そうだけど……狭いかな?移動販売カーと考えれば、こんなもんだよね?
お客さんがいない時は休憩用の折り畳み椅子とかに座ってて貰う感じで……どうだろう?
あ、ドアが922か……1010余る予定だから大丈夫だよね?うん、ピンクの壁にバニラウォールナットのドアとか絶対可愛い!待てよ……アイスブルーがいいかな?
ピンクに白だと普通すぎる?派手可愛いに行くならアイスブルーがいいかも。うん、そうしよう!
「間取り図いるか分からないくらいの物ですけど、こんな感じでお願いします」
その場でさらさらと思い付いた間取りを描いて渡した。まあ仕切りも何もない、四角いスペースにドアとシンクがあるだけなんだけどね。
さて……問題は誰が売るかって事だよね……またギルドに聞きに行くか……
ちょうど今日の作業も終わり、みんな帰る時間になった。ライアンにミシンと本とアイロンと、出来上がった服をアイテムボックスに入れて貰い、帰宅する。
「うい~、おかえり~」
帰宅して数分もせずにアンドレが現れた。ハンスとツインテールのとんでもない美少女を連れて……おうふ、なんだこの可愛さは!
「おい、俺は忙しいんだよ!さっさと要件を言え!」
……はて?どこかから柄の悪い男の声がする……?思わず小首をかしげると、また怒鳴られた。
「っち!何だそのアホ面は?用事がねーなら帰るぞ……って何だその服は!?可愛いじゃねーか!色とかどうなってんだこれ!?っち、見にくいから脱げよ!いてっ!」
美少女に思いっきりアラジンパンツを掴まれた瞬間、ライアンが美少女の手をはたき落とした。
「いや、脱げないからね!手は大丈夫?ちょっと待っててよ、今出してあげるから……はいこれ」
ガシッと返事もせずに美少女はアラジンパンツを奪い取って、食い入るように見ている。広げて、ウエストのゴムを伸ばして、触り心地を確かめて、裏を見て……
「何でこんなに伸びるんだ?何だこの素材は……?この柄も刺繍じゃないぞ……どうなってんだ?」
あ~うん分かった、アンドレが昨日言ってたデザイナーの変わった男の人ね……ってどこからどう見ても美少女だけどね!
おネエの人みたいな、美女じゃないのよ?どう見ても美少女なのよ……いったいいくつなんだろ?
「あの~、ちょっと作りたいものがありまして、お針子さんを紹介して貰えたらなと思ってアンドレ様に相談したんですよ」
「無理だ、忙しい!お針子達は納期に追われてそんな暇は無い」
まぁ、そうだろうね……でも今回は秘策がある!
「業務提携と行きませんか?ふふふ」
「頭わいてんのか?俺に何のメリットがあるんだよ?」
「じゃじゃーん、これです!ミシンって言うんですけど、こうやって布を合わせてダーッと縫うと~……ほら、この通り綺麗に縫えるんです!ここで調整すると、もっと細かくも縫えますよ!」
「っな……!」
よっぽど衝撃を受けたのか、美少女は縫い合わさったハギレを広げてみたり、引っ張ってみたり、思いっきり引っ張って強度の確認をしたりしている。
「よかったら使ってみますか?ここに置いて、押さえを下ろして、ここを手で押さえててくださいね?この足元の黒いのを踏むと進むので、ゆっくり踏んでみてください。
強く踏めば早くなります。終わる時は足を上げてください。そう、凄く上手です!」
そう、私の世代だと家庭科ではこの足で踏むのがついてるミシンだったんだよね。
だから最近の手元のボタンでコントロールするやつが怖くて上手く使えないのだ。
速度の微調整もしやすいし、やっぱり踏むやつが使いやすいよね!
「これは……確かに凄いな。これだったらお針子の作業も格段に速くなるな……シルクも縫えるのか?」
シルク生地を出して、針と押さえを変えて、糸を変える。優しくゆっくり縫うと、綺麗に出来た。
また押さえを変えて、今度は三つ折を綺麗に作る。ロックミシンで端処理をする。巻きロックをする。
また押さえを変えて、コンシールファスナーをつける……これでどうだ!くふふ
縫い終わる度に奪い取られ、食い入るように観察される。ファスナーも上げて下げてを何度繰り返すことやら……
「なるほど……確かにこれがあればかなりの時間短縮になるな……で、俺に作って欲しいものとは何だ?」




