表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/113

53

 カフェに到着すると、体育館や託児所の建設で人が多いせいか、3人がビクビクしていた。

 いったいどんな生活をしてたんだろう……そのうち話してくれるといいな。


「あ、おかえりなさ~い。あら、こちらの3人は?」


「カレンちゃんただいま~。図書館の従業員の3人だよ。今朝王都に到着してギルドにいたから連れてきた」


 お互いよろしくと挨拶をしているけど、カレンちゃんの手に握られているおぼんが気になるんですけど!

 美味しそうなシュークリームが2種類……ぐうう~


「あ、くすくす。麻衣ちゃんお腹すいてるみたいね。シュークリームが出来たところだから、みんなで味見して。

 あなた達もそこに座って味見してみてくれる?感想聞かせてね。あ、サミーも食べてみて」


 いつの間にか厨房に行ったサミーにも声をかけてくれた。今手が離せないので後で食べるそうだ。

 手を洗ってみんなに飲み物を出して、いただきま~す。う、旨い!どうしよう……昨日と違いが分からない……でもカレンちゃん的には大満足らしい……舌の作りが違うんだなきっと。


「あ、カレンちゃんバニラビーンズあったよ!それとね、ふっふっふ、じゃーん!見て見て寒天!

 ゼラチン貴重なんでしょ?寒天で代用してゼリーとかムースとか作れちゃうんじゃないの?

 この本に寒天スイーツの作り方載ってるから読んでみて」


「す、すごーい!ええ!?よく見つけたね!これって安定して入ってくるかな?わ~、ちょっと上に行って本を読んでくる!またね」


 大興奮で厨房に戻っていった。うん、まぁ大丈夫だろう。……さて、とりあえずサミーがパスタ作ってる間に、この3人の服をどうにかしようかな。

 お互いサイズを測って貰い、いつもの全国チェーンのお店で適当に買ってトイレで着替えて貰う。

 どうやら靴のサイズも合ってなかったようなので、スニーカーも出す。おお、服のサイズが合うだけで、だいぶヤボったさが消えた。

 あとは髪だよね~……明日ダリアさんに切って貰おうかな。う~ん、前髪のせいかな?ケビンの目付きの悪さが気になる。

 とりあえず前髪はヘアバンドで上げて……う~ん……もしかしてあまり見えてない?

 試しに視力測定器を買ってやってみよう。えっと……右0.4の左0.2?やっぱり……えっと、数値の読み方がよく分からないけど、とりあえずメガネの注文をしなきゃ!

 男性だしな……う~ん、このインテリっぽいのがいいかな?あ、測定結果の紙をこのボックスに入れるの?おお、出来た!試しにかけてみて……どうかな?見えるかな?


「えっ!えっ?ええっ!?」


 外してかけてを繰り返している……コント?


「あ、あれ?え?すごく……はっきり見えます……ええ?」


 はっきり見えるようだ。よかったよかった。他の2人も測ってみたけど大丈夫だった。


「元々目が悪かったの?環境のせいかな?文字の勉強が進んでないって言ってたけど、見えなかったからじゃない?これからははかどりそう!よかったね」


「あ、いえ……元々は見えてました……イリーナの機嫌が悪い日にたまたま目に入る場所にいてしまって……扇子で顔を滅多打ちにされて……それからですね。まぁもうだいぶ昔の話です」


 ひー!扇子怖っ!理不尽!どこか打ち所が悪かったのかな……?いったい何人の人生をめちゃくちゃにしたんだろう……次こそは出れないところに閉じ込めて欲しい!


「うぃ~っ、パスタ出来たっすよ~!悲しみもイライラも一気に吹っ飛ぶ美味しさっす!」


 サミーの作ったカルボナーラは、本気で悲しみも怒りもぶっ飛ぶ美味しさだった!あんた天才なの?


「うっま!何ですかこれ!?初めて食べました!さすが王都ですね、こんな旨い物があるなんて初めて知りました!」


「お、分かってるね~!これは王都でも初になる料理っすよ!今後バカ売れ予定っす!」


 凄いですね!若いのにこんなに腕がいいなんてとみんなに誉められて、完全に調子に乗ってる。くふふ、でも本当に凄い!貴族も食べに来るかもしれない!

 いや、料理長とかが来て真似しようとするかな?まぁ図書館に行けばレシピ本あるしね。特に隠す予定もない。

 カレンちゃんの寒天ゼリーとかも作りたいって需要あるかな?ミーナさんのお店が閉まっちゃったら、みんな寒天もスパイスも買えなくなるよね?

 生クリームとかパスタ麺も全然売っていいんだけどね……でも、カフェで販売までするのはきついな~……いっそのこと、ミーナさんのお店を隣に作っちゃう?まぁミーナさん次第だけどね。今度相談してみよう。

 先にシュークリームを食べていたにも関わらず、みんな凄い勢いでカルボナーラを完食した!

 

 さてと、予定通りアパートが完成したらしいので、3人を連れて行こうかな。

 きっと長旅で疲れてるよね?色々あったしね。てくてく歩いて案内する。10分歩いたところでアパートに到着した。道路を挟んで向かい合うようにアパートが建っている。

 右のアパートの隣には、パン職人さん用の一軒家タイプの社宅の建設中だ。こっちが男性用になる。

 門を入って、1番手前の部屋はハンス用の手すりをつけた部屋になる。2番目ががおじちゃんかな~……3人横に並んだがいいなら2階になるけど……どっちにする?あ、2階ね。

 1番手前をケビンにする?そしてマイク、ニックの順番ね。下に音が響くから、あまりうるさくしないようにね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ