表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/113

15

「おお、また何か新しい魔道具?何々それ?どうやって使うんだ?」


 っち!めんどくさいのに見つかってしまった。


「こんな所に来て、お風呂は設置出来たの?」


「ああ、給水管と給湯管、電気系は繋いで来たから大丈夫。壁も床も組み終わってるし、あとはちょっと窓枠とか付けて隙間埋めるだけじゃね?

 あの映像のおかげでだいぶ早く出来たと思う。配電も分かりやすかったしな~……で、それは?」


 やっぱり紙面だけで見るより動画で見た方が、断然分かりやすいよね!渡してよかった~。


「これは映像を残すやつ。カメラって言うんだけど、例えばほら……こうやって撮れるの。

 後で紙に印刷も出来るよ。まぁ印刷機は電気がいるから離れが完成してからになるけどね」


 実際使った方が早いと思ってアンドレを写して見せると奪い取られた。


「こ、この俺の美貌を完全に再現しているだと……!?」


 いや、あんた言うほどイケメンじゃないからね?痩せすぎで顔色悪いし……まぁ健康的になったらアリアさん似の優男風になるかな~?

 ああ、なんかみんなに見せに行ってしまったよ……俺のイケメンっぷりが完全に再現されてるとか騒いでるけど、誰も聞いてないし。

 むしろ小さい画面を覗き込もうとみんな近い近い。どうなってるんだ?凄い絵だなとか言ってるし。ふふふ、そのうちみんなを写してあげよう。

 とりあえず休憩しますか。今日は何がいいかな~?アイス食べたい?はいは~い、ガリ○リ君ね。オッケー


「アンドレ様、そんなことよりトイレの取り付け方とシステムキッチンの取り付け方のDVDを見て勉強しててくださいよ」


 おお、そうだったなと言って真面目にDVDを見だしたことで、やっと静かになった。

 お風呂担当以外の人は、石膏ボードの継ぎ目にパテを塗って段差をなくす作業をするのだとか。

 それが終われば天井にレッドシダーを貼り、洗面所の窓側面と、キッチンの正面と窓側に長方形の白いタイルを黒目地で付ける。

 トイレと玄関ホールの壁紙は白いレンガ風だ。キッチン横の備え付けテーブルと玄関からリビングに入るドアのある所の面と寝室の枕元からクローゼットの中まではネイビーの壁紙で、他は白にした。


 トイレと洗面所は天井も白のクロスにした。天井にレッドシダーを貼る手間が無い分、トイレのクロス貼りはすぐ終わったのでトイレを設置するらしい!

 いよいよトイレが……凄い、感動!しかも思ったより簡単そうに付けてるし!トイレは完成?あ、天井の電気のピヨーンを引っ掛けシーリングに変えたら完成なのね!

 え?早っ!意外と簡単だったし!ああ、リモコンはここね。兄夫婦の家は、ペーパーホルダーとリモコンの位置が微妙でね……親友がブツブツ言ってたの思い出した。ってペーパーホルダー忘れてた!

 

 タイル貼って乾燥も終わったから次は洗面台?これは給水排水だけだから早いよね。

 照明は鏡の上にシーリングを付ける。鏡の高さはこのくらいね!めちゃくちゃ可愛い!え?うそ!ここも完成?

 あとは明日システムキッチンを取り付けて、玄関のタイルを貼って、照明を付けて電気がちゃんと通っているか確認したら終了?

 凄い魔法が使えて人数がいるとこんなに早く家って作れるんだね……

 乾燥と足場を組む必要がなかったのが大きいのかも!いよいよ明日の夕方から住めるんだって!嬉しい!


 今日でお城での生活が最後だから、アリアさんとおじさんズと一緒にシェフの晩餐をいただくことにした。

 ドレスコードがあるのかな……と悩みに悩み、とりあえず結婚式のお色直し用のドレスを探してみることに。

 でも、袖付きだと気に入るデザインが無く、気になるのはよくある袖無しのものばかりだった。

 中でも白地に紺やブルーや水色の花柄のプリント生地に白いチュールを重ね、ウエスト部分を紺のリボンで結んでいるドレスに目を引かれた。

 袖付きでこれ以上のドレスが出てくることは無かったので、ボレロを探すことにした。

 だが、中々合いそうなデザインがなかったので、薄手のレースの長袖ハイネックのピッタリしたトップスを買って、ドレスの中に着る事にした。

 髪はメイドさんが編んでくれたので、ブライダル用の髪飾り(リーズナブルなやつ)を付けてみた。うん、可愛い。

 イヤリングは蝶のモチーフのものを選んだ。なんと驚いたことにピアスの穴が塞がっていたのだ!

 まぁ姪っ子が生まれてからお世話する時に危ないかなと思って着けていなかったので、無いなら無いでいいかなと思う。


「麻衣……恐ろしく美しい……まるで花の妖精……いや、女神だ!美しい女神、どうか私にエスコートする許可を……」


 そんなこっぱずかしい台詞を言って片膝を着いた正装したライアンこそ、雄々しい男神のようである。

 美しく均等の取れた筋肉……跪く事でいつもと違い低い位置から見上げてくるダークブルーの瞳……ワイルド系のイケメンが色気を垂れ流していますよ!

 明日から2人きりの生活……超普通な物に囲まれて育った私に耐えられるのか!?

 こんなイケメンが旦那だなんて……しかも溺愛。この世界はあれか?私へのご褒美か何かなのか?

 でも、ご褒美だったら家族と引き離されるはず無いか……はぁ、みんな元気にしてるかな……?会いたいな……


「麻衣、大丈夫か?」


 急にテンションが下がったので、ライアンが驚いたようだ。


「うん、急に家族の事を思い出しちゃって……もう大丈夫だよ、さあ行こうか?マナーとか全然だけど大丈夫かな?」


「違う世界から無理矢理連れてきた人間に、マナーがどうこう言うほどみんなアホじゃないから大丈夫だ。

 俺のせいで大切な家族と引き離されて……すまない。新しい家で、寂しいのを忘れるくらい楽しい毎日にしよう。

 麻衣の世界のことも、もっと教えて欲しい」


「うん、ありがとう……」


 日本にいる家族への愛情を10%にされた今、ライアンと離れることの方が辛いだろうな……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ