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 さて、次はケーキだね。


「とりあえず、あとで戻すんで、買ったふりで大丈夫です。レジにそのまま返してください。

 終わったら1回出て、順番にカフェに行ってランチにしましょう」


 並び順は、またパン屋さんと同じだった。はいはい、まあその辺はアンドレの好きにしてください。

 サマンサさん、アンドレ、ミーナさんにそれぞれスタッフがケーキドームの説明などを丁寧にして、聞かれたケーキの説明を詳しくしている。


「俺は、これとこれとこれを貰おう」


 アンドレがそう言って、チラリとこちらを勝ち誇ったような顔で見てきた。ああ、さっきのがやりたかったのね。私より先にしてやったりって感じ?


「はい、こちらの3種類ですね」


 あっさり通じて、お会計へと流れていった。うん、なんかすっごく残念そうな顔だね。てかパンと違って積んでないからちゃんと見えるんだよね~……種類もそんなに多くないから、キチキチに置いてないしね。ドンマイ

 タチアナの番になり、しばらくしてやっと私の順番になった。ちょっと毎回丁寧に説明するのはいいけど、時間かかりすぎだよね…そして、ホールに回る余裕もなさそう。

 うわ~、完全に人手不足……どうしよう……とりあえず注文するか。


「う~ん……どうしようかな……見たこと無いものばかりで悩むわ。差し入れに持っていきたいんだけど、どれがいいと思う?」


「そうですね~、こちらのシュークリームとプリンでしたら、配りやすくて食べやすいと思います。

 ケーキのお持ち帰りにはこちらのケーキドームを買っていただくようになるんですけど、こちらの2種類でしたら不要になります。

 差し入れ先が女性ばかりの所だったり、お皿を出してゆっくり食べれるような環境がおありでしたら、色々な種類のケーキを味比べするのも楽しいかと思います」


 ふむ、説明は完璧かな。味の説明を聞いてもしっかり答えてくれたし……ただ、時間かかるね~。

 よし、詳しい説明を書いたポップを作ろう!並んだ時に見えるところに何枚か貼ったり、おしゃれカフェの前とかにある黒板的なのを置こうかな。

 その辺はポスター作りに使ったソフトを使えば簡単に出来そうな気がする。そうだ、ケーキの写真とケーキドームの写真を使ったら、わかりやすくていいいね!

 明日はとりあえずな感じで作って、本オープンまでに可愛くおしゃれに作り直せばいいしね。うん、そうしよう。

 

「うん、みんなしっかり説明できてるしいいと思う。ただ、やっぱり時間かかるよね……これでカフェの方のオーダー取ったり料理運んだりって、ちょっと無理だよね……どうしよう……

 詳しく書いたポップを並んでる間に読めるように貼ろうとは思うけど、それで少し時短できても厳しいよね……」


「あ、なら城の侍女達に声かけてきてやるよ。非番の侍女が喜んで手伝うと思うぞ」


 そう言うなり、すぐにでも出ていこうとするアンドレをあわてて止めた。


「ちょ、ちょっと待って!いくらなんでも迷惑でしょ!」


「いや、そうでもないぞ?独身の騎士達は付き添い1人までだっただろう?決まった相手がいない騎士達と誰が一緒に行くかで、それはそれは激しい争奪戦が侍女達の間で繰り広げられたんだ。

 なんか適当に土産でもやれば、争奪戦に負けた非番の侍女達なら喜んで手伝うって。とりあえず今から聞いてくるわ~」


 そうなんだ……それなら……お願いしてもいいのかな……?正直このままじゃ絶対失敗するし……1人でも2人でも来てくれればありがたいのは確かだしな……


「じゃあ……お願いしようかな。絶対無理やり手伝わせるのはやめてね?あくまでもやりたいって言う人だけにしてね?

 賄いに売り物のケーキは足りなくなったらあれだから、通販で買った日本のケーキと、お土産にも何か持たせるからってお願いして。

 明日はオープン前に研修したいから、8時半に来て貰うようにお願いします!制服もちゃんと用意するからって伝えといて」


「うい~」


 いい男風に振り返らずに片手を少しあげて返事をして、マウンテンバイクで颯爽と走り去った……


「まあ……ふふふ」


 え?サマンサさんが、もうやんちゃな子ねって感じで微笑んで走り去る後ろ姿を見送っている……え?あれかっこいいの?やっぱりこの世界の美的センスはよく分からんわ~……


 っとそんなことを考えてる場合じゃなかった。明日のことを考えなきゃ……ケーキのことは説明もあるから、朝来て覚えていきなり販売してっていうのはきっと無理だよね。

 侍女さんってことは、きっとマナーやお茶入れは完璧なはず!ってことで、急だけどホールをお願いしよう。

 メニューも難しくないしね……一応軽食ということで、フードコートみたいにレジで注文して先に払うスタイルで行く予定にしている。

 レジで注文して支払いをして番号札を貰う。出来上がったらマックみたいにテーブルまで店員が運ぶスタイルだ。

 そんなに席数もないし、きっと大丈夫だよね……何人来てくれるかな……出来れば3人位来て貰えると助かるな。明日はお城の侍女さんに来て貰うとして、今後どうしようかな~。ランチタイムの短時間だけでも来れる人がいたらいいんだけど、そこはまた今度ギルドで相談かな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] わあ!!! 更新ありがとうございます! このお話大好きで、何度も読み返していたんですよ~。 続きが読めてうれしい! 女性主人公ものが好きなんですが、イキイキと色々なものをこの異世界に造…
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