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 まずはレディーファーストとかアンドレが言ったので、サマンサさんから買うことになった。

 サマンサさん、アンドレ、ミーナさん、タチアナ、私、ライアン、ハンスの順番だ。レディーファーストどこ行った?サマンサさん限定?


 パン屋さんは、ショーケースにたくさんのパンが並んでいた。サマンサさんは生クリームのやつとクルミパンを買っている。

 こちら側から欲しいパンを伝えてトレーに取ってもらい、レジ係の子が順番にお会計をするようだ。

 レジ係の子がパンを肉まんみたいなやつに1個ずつ入れて、ドリンクを用意して、お会計をする。

 その間に、残りの2人がどんどん注文を聞いて、お会計待ちのトレーが出来上がっていく……う~ん、微妙。


「えっと、このパンと~……このパンとこのパンをください」


 いるよねこういうお客さん。むしろ、こっちの方が多いかもしれない。


「えっと……すみません、生クリームパンとカレーパンと、あとはどれですか?」


「これよ、これ」


 あえて名前は言わずに、先ほど同様指を指す。ショーケースの向こうから、一生懸命どれを指差しているのか見ようとしているが、ぎゅうぎゅうに詰め込まれたパンと、ショーケースの上に並べたお会計待ちのトレーが邪魔で見えないようだ。


「うんよし、今見えないんだよね?それにレジですることが多すぎて、スムーズに進んでないよね?

 ちょっとやり方を変えようか。まず、パンは上に積まないで。つぶれちゃうし、見た目もいまいち。それに、こっちが見えにくいよね?

 厨房の中にラックがあるし、厨房との間の壁にも棚があるんだから、一気に全部出さないで、上手く棚を使ってね。

 それと、2人もレジ出来るようになったよね?注文を聞いて袋に入れてお会計まで、全部を1人でやるようにしようか。

 そうしたら、最初の人のを袋に入れたりドリンク用意している間に、他の子が次の人のお会計も出来るよね?

 そうやってぐるぐる中で回った方が、早いんじゃないかな?ってことであとでまた来るから、パンの置き方とかお会計の仕方とか、色々話し合っといてね」


 3人は、実際にやると想像していたように上手く出来ずに落ち込んでいた。

 特に、これと言われて、全く見えないとは思っていなかったようだ。と言うか、パンの名前を言わずに、これと言う人がいるとは、思いもしなかったようだ。え?ケーキ屋さんとかに結構いるよね?

 レジも、もう少しシャシャッと出来る想定だったようだが、サマンサさんが銀貨で支払ったことと、アンドレが10個買ったことで想定外に時間がかかってしまったらしい。

 まあ、明日じゃなくてよかったと思って、頑張って改善してもらおう。


 次は図書館だ。10時45分に受付に行くように示し合わせて、自由行動にする。

 ハンスはタチアナを連れて、漫画コーナーを案内するようだ。ミーナさんとサマンサさんは、それぞれどんな本があるのか一通り見て回るようだ。

 ライアンも漫画コーナーに行った。どこ行こうかな~と思っていると、アンドレがケビンにうざ絡みしだした。


「俺のようないい男が読むのにふさわしい本は何処だ?」


「どんな感じの本がお好みですか?」


「そうだな……天才にふさわしい本が好みだ!ふははははははははは」


「「「…………」」」


 ああ、うん、なんてめんどくさいって思っちゃうよね~……


「そうですね、私のおすすめのコーナーにご案内してもよろしいですか?2階なんですけど、専門的な本が揃っていますので、アンドレ様のように優秀な方におすすめです。

 私など学がないので、読んでも何が何やらさっぱりなんですけどね……ははは」


 おお、ケビンが立ち直って2階の専門書コーナーをおすすめした。しかも自分を落として相手を持ち上げていい気分にさせながら案内するとは……いつそんなテクを覚えたんだろう?

 あ、カウンターの中で元メイドさん2人がにやけながらケビンを見ている。なるほど、お城仕込みのテクを授けてくれたらしい。

 貴族の人の相手とか、慣れてるもんね~。その調子で、後輩指導よろしくお願いします!

 さて、私はキッズコーナーにでも行ってみようかな。ここは土足禁止になっている。

 入口で靴を脱いで、子供の目線になるように座ってみる。特に危ないところも無いかな~……もう少しカラフルでもいいな~……天井に何か吊るしてみる?

 カラフルなガーランドとモビール、くるくる回る飛行機を買って、脚立を買って取り付けていく。

 うんうん、さらに可愛くなったね!いい感じ。あ、木で出来た可愛い子供用の椅子がある!置いとくだけでわいいし、3個くらい色違いで買おうかな。

 っとそろそろ時間だね。キッズコーナーを出て、雑誌コーナーへ行く。あ、さすがにファッション雑誌は文化が違いすぎるから、趣味系とかその辺のやつね。

 サマンサさんも雑誌コーナーにいて、ソーイング系の本を借りるようだ。私は料理の本でも借りようかな。


 受付はスムーズだった。ちゃんとみんな1週間後の返却や、遅れた場合のペナルティ、返却ボックスの説明などを、丁寧だが聞き取りやすいくらいの早口で伝えていた。

 よし、次は私の番だね…………ああ、魔力が無いから借りれないんだったー!

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― 新着の感想 ―
[一言] 続きが気になる処です。
[一言] >「えっと、このパンと~……このパンとこのパンをください」 あるある(汗)
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