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「そう言えばタチアナさん、明後日は私と一緒にアイスクリーム屋さんに入ってもらっていいですか?タチアナさんが慣れたら、1人でお任せして、私は各店舗を見て回ったりしたいんですよね」


「え?あ、はい、それは大丈夫だと思いますけど……アイスクリームって何ですか?」


 ああ、そこからか……そうだね、そうだよね。えっと、どこかのお店に丸いアイスないかな……あ、アイス盛り合わせか。これが近いかな~?

 いや、待てよ……通販で大きいアイスとコーンを買って実演して見せよう!


「えっと、ちょっと違いますが、こんな感じのものです。このコーンにアイスをこうやってすくって、カポッと乗せれば完成です。

 ちなみにこれはシングルで、こうやってもう1個乗せるとダブルになります。はい、どうぞ。

 こっちの小さい方のですくって乗せたのが、スモールです。ちなみにコーンも2種類サイズがあります。

 スモールダブルは小さいのが2個ですね。子供サイズですね。やってみますか?」


「モグモ……は、はい」


「あ、ごめんなさい。ゆっくりいいです、食べ終わってからやりましょう!とりあえずこれは冷凍庫に……」


 アイスを美味しそうに食べている途中のタチアナが、立ち上がろうとしたので、あわてて止めた。

 ついつい集中すると回りが見えなくなる癖をどうにかしないとな~。

 

「すみません、食べ終わりました。冷たくて甘くて……すごく美味しかったです!こんなの、はじめて食べました!王都では流行っているのですか?」


「流行ってないっすよ~、オーナーの世界のスイーツで、明後日初披露っす!自分の作るパスタやホットサンドも、初披露っす!パンも今まで食べたことないくらい、ふわふわっすよ~!」


「パスタ?ホットサンド?ふわふわのパン……?」


 ああ、タチアナが混乱している。まあそうだよね。


「それに、この家の作りも初めてです。麻衣様やミーナさんの服も変わってますよね……私はハンス様のような服の方が好きですけど……」


「確かに、タチアナさんには、シンプルなデニムとTシャツの方が似合いそうですよね~。

 とりあえず制服はデニムなんで安心してください。私服用にもいくつかズボンを用意しますね。

 上はどんな感じがいいかな~?今までとタイプが全然違って楽しいな~。

 あとこの家は、私に魔力が全くないので、私の世界の家を建てて貰ったんです」


「え?でも先程アイテムボックスから色々出していませんでしたか?」


「ああ、これはユニークスキルの通販と言うものです。私の世界となぜか繋がっていて、この機械で欲しいものを買うと、こうやって出てくるんですよ。

 ちなみに、レストランとも繋がっていて、私の世界の食事も出来るんです!便利なんですけど、これをそのまま売ることは出来ないんで、商売には使えないんですよね~。

 まあでも加工すれば売れるんで、生地を買って服に仕立てて貰ったり、ビーズを買ってアクセサリーにしたものなんかは売れるんですよ」


「ええ?魔力が全く無いのに凄いスキル……どうなってるのかしら?そもそも魔力が全く無いって……ぶつぶつ」


 ああ、タチアナがますます混乱している。意外と理論派なのかな?私とか適当人間だから、そうなんだ~で終わらせちゃうのに……真面目だな~。


「本当に魔力ゼロなんですよ。おかげでこっちの世界のトイレもお風呂も使えなくて……危うく狂うところでした。へへへ

 でも、このスキルのおかげで、元いた世界の家を建てて貰えたんで、本当よかったです。

 さあさあ、アイスを試してみてください!まずはハンスの分を作ってください」


 ええ!トイレも!?とか驚いていたけど、さっさと話を変えてアイスをすくう練習をして貰った。

 さすが、冒険者なだけに器用だね~。え?冒険者じゃない?でもね、一応ギルドに登録してあって、ランクはAらしいよ。隊長レベルだって。

 建築を手伝っていた普通の騎士達はだいたいBランクで、怪我をする前はハンスもBランクだったそうだ。

 騎士団長はSランクで、ライアンはランクとかつけるレベルじゃなくて、レジェンドっていう扱いらしい。

 タチアナの領では本職でもないのに強さが全てで、ライアンは神様のような存在らしい。

 そんなライアンの嫁である私にハンスが雇われていると言うことで、絶対反対されないとタチアナは言っている。

 うん、なら私とライアンの写真も一緒にいれとけば、信憑性もあっていいかな?ドレスの時の写真があるから、1枚渡しとこう。


 ちなみに結構強いハンスだけど、休みの度にタチアナに会いに行っていて、運悪く群れに囲まれている商隊を助けに入って怪我をしたそうだ。

 普通なら余裕で倒せた魔物でも、群れな上に怪我人を庇いながらとなると死角がどうしても生まれて、何とか全滅させた時にはあの怪我だったんだとか。

 元々襲われていた商隊の護衛達も中々な怪我だったらしいが、商人が荷馬車の荷物をその場に捨てて、怪我人を荷馬車に全員乗せ、大きな町へ急いだらしい。

 荷物を捨てて商人も大損だっただろうが、ハンスや怪我をした護衛達への手厚い看病に、賠償金まで支払われたらしい。いい人だ。

 

「うう、ハンス様……私がその場にいれば……」


 まあ、確かにタチアナがいれば楽勝とはいわないけど、最低限の怪我人だけで済んだかもしれないよね。でも、どうしようもないことだしね。うん、仕方ない。


「結構魔物って出るんですね……」


「魔王討伐後は減っていたのですが、近年増えてきましたね……でも、そう言えばここに来るまで魔物に出会いませんでした。おかしいですね……普通なら5匹くらいは遭遇するんですけどね?」


 っあ!まさか……ライアンが落ち着いたからとか無いよね?狂って魔王より強い存在になりかけてるって最初言われたような……まさか魔物が増えていたのって……まさかね……

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