第四十六話
「第四十五話」内の想像
私は“嫌な想像”に対して想像をした。私なりに考えて導き出した苦肉の策を想像した。
“嫌な想像”の中に新しい“想像の私”を創造した。
私の瞳は怒りに満ちてレッドサファイアのように赤く光っていた。
学校の渡り廊下にクラスメイトの小泉と佐藤がいた。今日も掃除をサボって雑談をしている。話に夢中で二人は私が近づいても気付いていない。
私は小泉との距離を一瞬で詰めて、正面から顔面を殴った。拳が顔にめり込み、鼻の骨が折れる軽い音が鳴って、小泉は仰向けに倒れた。
次に、驚いて固まっていた佐藤の腹に重い膝蹴りを叩き込んだ。ウゲっという声と共に佐藤の身体が少し浮き上がった。その場にうずくまる佐藤の後頭部に力を込めて拳を降り下ろし、顔をコンクリートの地面にめり込ませた。気絶したのかそのまま動かなかった。
鼻血で顔面が真っ赤に染まった小泉が立ち上がったので、今度は正拳突きで眉間を殴りつけた。白目をむいて再び仰向けに倒れた。
やはり狙うは頭。身体を殴っても大きなダメージは見込めない。
たまたま通り掛けたのか、後方から木村と小林が野次馬の如く楽しそうに駆け寄ってきた。
木村に近づき、顔面に速いフックを喰らわせたが倒れなかった。運動部の男子はこの程度では効かないのね。
「何すんだよ!」
相手の雰囲気を感じ取って木村の行動を先読みする。木村が驚いた表情で拳を構えた。背が高い相手はリーチが長い。一気に懐に大きく踏み込み、木村の顎に目掛けて拳を喰らわせた。顎は鍛えにくいので弱点だから。
それでも木村は倒れなかったので、渾身の右ハイキックで頭を蹴り飛ばした。首の骨が折れる鈍い音が響いて木村は頭がぐにゃりと歪んだまま倒れた。
格闘ゲームとは違って、攻撃する方にもダメージが蓄積していく。やっぱり物を使った方が良さそう。私は学生カバンの中から緩やかな弧をえがいた曲刀を取り出した。太陽の光が刃先を照らして美しく輝いた。
それを見た小林が逃げ出そうとしたので、曲刀で背中を斬りつけた。それだけでもう動けないようだ。這いずりで逃げようとする小林の背中に曲刀を突き刺した。心臓を貫通して血が溢れだした。
首が不自然な方向に向いて倒れたままの木村の首を曲刀で切断した。首から大量の血液が噴き出した。そして、奥の方に倒れている佐藤の心臓を曲刀で貫いた。制服に血が広がっていく。
起き上がった小泉が叫び声をあげたので、曲刀で喉笛を切り裂いた。その場に倒れ、風を切るような音が鳴っていたが、やがて弱くなり鳴らなくなった。念のため、小泉も心臓を曲刀で貫いた。これで良い。
小泉、佐藤、木村、小林を殺した。




