第三十八話
「世の中にはHSP、と呼ばれる繊細で傷つきやすい人がいます。
それは五人に一人の割合で存在していると考えられています。
普段の生活をしている時に、この世の中はとても生きづらいと感じる事が多い人になります。それは感受性が普通の人よりも強く、相手の気持ちを察して共感したり、喜びや悲しみの度合が人より大きかったり、不安を予測して取り越し苦労が人より多かったり、と周囲の環境からの影響を受けやすく、エネルギーを人より多く使います。なのでエネルギーを使い過ぎて精神的に疲れやすいです。
HSPは性格ではなく“気質”であって、生まれ持った性質なので変えることはできません。なので生きづらい気持ちを持ったまま日常を過ごしています。
今日は、生きづらいと感じているHSPの人がこの世の中を生きていく上で、良いアドバイスができればと思います」
スクリーンの映像が切り替わり、引き続き話が始まった。
「私自身、自分がHSPだと分かったのがこの二年ほど前の事で、それまでは普通の会社員をして働いていました。子供の頃から他人と比べて何か違和感はあって、イジメを受けたこともあり、自分は劣っているからとか馬鹿だからとか劣等感を強く受けながら生きてきた訳ですが、社会人になっても仕事は人よりも覚えるのが遅い、行動をするのも遅い、人よりも疲れやすい、など他人と比較して劣っていると思う事が多くありました。その時は自分は駄目な人間だからと人よりも駄目なんだと落ち込んだりしました。ずっと劣等感ばかりでしたが、仕事を続けていくと、人よりも早く仕事をこなす事ができるようになり、真面目に頑張っていたのもあったので主任に昇進して、順風満帆に生きていました。でも、やっぱり自分のこの生きづらい感じ、心の違和感がずっと気になっていて、その正体が何なのかを調べ始めました。何か所も病院に行って診てもらったり、色々な医学書を読んだりして、そして辿り着いたのが“HSP”という言葉でした」




