表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HSP少女はかく語りき  作者: なみだいぬ
37/48

第三十七話

 私は自分がHSPだと思っている。だからこのセミナー“HSPハイリー・センシティブ・パーソン、繊細で傷つきやすい人間の生き方”に参加したいと思った。それにHSPについてもっと知ることで、自分の心が整理できると思ったから。


 十二時三十分頃にはビルに戻ってきて、セミナールームの前で受付が始まるまで待っていた。

 さっきまで時間つぶしにビルの周辺を歩いていたが、時間が経つのが遅くて、待ちきれずにここまで来てしまった。それにウロウロしていると不審者に見られそうだと思ったから。


 十二時四十五分にセミナールームのドアが開き、スーツ姿の女性が出てきた。

「あら、こんにちは、セミナー受講の方でしょうか?」

「はい」

 高校生に思われないようにできるだけ大人っぽく振舞った。でも、見た目は高校生に思われているのだろうと相手の目から一瞬で読み取った。


「事前予約をされていましたらお名前を頂いて宜しいでしょうか?」

「えっ、事前予約はしていないです」

 ここまで来てセミナーを受けられない? ホームページには確か当日参加もできると書いていたはず……。


「当日参加の方はこちらにご記入お願い致します。受講料三千円になります」

 私は手渡された紙に名前を書いて、受講料を支払った。セミナールームの中で一番窓側で後列の席を選んだ。後ろに誰もいないのは落ち着く。ビルの二十五階、窓から見える景色は足がすくむ高さだった。広尾山の山頂よりずっと低いはずなのに、高所恐怖症ではない私でも落下した時の事を想像をすると恐怖を感じる。


 私は周りの雰囲気に緊張していた。参加者が入る度に、どんな人が受講するのだろう、自分はこの部屋の中で変に思われていないか、などアンテナのように神経が尖って感度が鋭くなっているのが自分でも分かった。


 十三時直前に駆け込みの参加者が多数入ってきた。ルーム内を見渡した感じでは参加者は二十人もいなかった。プロジェクターから“HSPハイリー・センシティブ・パーソン、繊細で傷つきやすい人間の生き方”の文字が前方に設置してあるスクリーンに映し出されている。


 暫くすると、東河博さんが部屋に入ってきて一礼をした。蛍光灯の光の加減からか、動画と同じように目がキラキラとしていた。


「本セミナーにご参加頂きまして誠にありがとうございます。本日、講師を務めさせていただきます私、東河ひがしかわひろしと申します。どうぞ宜しくお願い致します」

 再び一礼をして、爽やかな笑顔を見せた。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ