第三十四話
夜が明けてきたが、私はずっとパソコンの前にいた。
眠気もなく、お腹が空くこともなく、“嫌な想像”で苦しむことなく、HSPの動画をずっと集中して見ていた。
東河博、目がキラキラとしたその人が投稿した動画を順に見ている。動画を見進めるほど、HSPに関する様々な情報が頭の中に流れ込んできた。
HSPは深く考えすぎて疲れやすい事。自身の周りの環境に対して敏感な事。人の気持ちを良く考える事。人と共感して感情を合わせられる事。音楽や絵など芸術な感性が高い事。人と居るよりも一人で居る事が多い事。自分の事がどう思われているか気になる事。自己肯定感が低く、否定感が強い傾向である事。HSPは病気ではない事。HSPは性格ではなく気質である事。外見ではその人がHSPだと分からない事。
自分の性格と合致する部分が多く、自分自身の“人間に対する弱い自分”の正体がHSPによるもの、という確信が徐々に高まってきた。
動画の説明欄にホームページのURLがあったのでアクセスしてみた。
基本的にはHSPの内容について画像で分かりやすく解説している。HSP診断テストもできるので早速してみた。27問中14点以上でHSPと判断され、私は18点だった。
東河博のプロフィールも載っていた。大学を卒業後、一般企業に就職して10年後に退職し、HSPのセミナー講師を務める。とても簡素な記載だった。
セミナー講演のカレンダーがあった。一ヶ月に何ヵ所も周っているようで、明日の土曜日には茶水駅近くのビルでセミナーをするみたい。
私もセミナーを受ける事はできるのかな……。内心は直接話を聞いてみたい気持ちがあった。それは今の滅入っている状況の解決の糸口になるかもしれないと思ったから。




