第二十八話
ある日の夕食後、私はパソコンに向かってオンラインゲームのアンドロメダオデッセイをプレイしていた。
ここ最近ずっとこのゲームをしている。他のプレイヤーがいるロビーフロアは避け、最近のアップデートで追加されたゲーム内の“マイハウス”に籠っている。
マイハウスでは部屋の内装を替えたり、置物を配置したり、可愛い服を選んで着たり、ベッドに横になったり、ベランダから外の風景を眺めたりして落ち着くことができる。この風景が出来が良く、眼下には近未来の街並みと遠くには木々の緑が溢れる山脈が続き、白い雲と薄い水色の空が広がっている。
時とともに徐々に夕焼けに替わり、数えきれない程の星が輝く夜になっていく。こういう風景ってずっと見ていられる。私はこのゲームの中の世界が好き。
他人に気を遣わなくてもいい。私がここに居ても誰からも邪魔に思われる事はない。誰からも傷つけられる事もない。誰かに嫌われる心配をしなくてもいい。自分が“本来の自分”として存在していい世界。ここに居ると私の心は安定する。
このゲームが無かったら、私の心は苦しみで押し潰されていたかもしれない。一日中ベッドで寝て過ごしていたかもしれない。メンタルが弱い私にとって、心が辛くなった時の解決方法は逃げる事しかない。良いんだ、私は逃げてばかりで……。私は普通の人より劣った駄目な人間だから。
私は心の中でそう呟いた。




