第二十七話
ある日の授業中、私はずっと考え事をしていた。
先生が話している内容なんてどこかに飛んでいって、私の耳には届いていない。動画サイトに書かれた中傷コメントがまだ心の中にずっと残っていて、忘れようとしても何度も何度も浮かび上がってくる。
その度に私は心の傷が疼いて苦しい。傷つけられた心の傷跡はすぐには消えない。一生消えないかもしれない。
何故こんな状況になってしまったのだろう……。その原因が分からないから引っかかっている。
インターネット上の匿名の書き込みを誰が書いたかなんて探すのは無理だと分かっている。
あの動画で私の事が嫌いな人はインターネット上に何人ぐらいいるのだろう……。分からない、書き込みしている人が全員かもしれない。良いコメントを見ても、本当は馬鹿にしていて嫌っているのだと思ってしまう。例えばこの教室内で考えた場合、何人ぐらいいるのだろう……。やっぱり女子が多いのかな。それとも男子が多いのかもしれない……。
休憩の時間に周りを見まわしてみたが、教室内はいつもと変わらない雰囲気が漂っている。友達同士で喋ったり、大きな声で騒いで休み時間を楽しんでいる。
でも、心の中では私のことを後ろ指を立てて蔑んでいるに違いない。私みたいな人間は誰からも嫌われそうだし。もしかしたらこの中にも書き込みした人がいるのかもしれない。思い当たる人がいるかどうか考えてみた。皆が裏で繋がっていて、皆がそうかもしれない。西井君は違うことを願う。
それともこのクラスじゃなくて他のクラスなのかもしれない。まさかリオの動画に出ていた友達……? 分からない。誰もが書き込みをした犯人に思えてきた。リオ以外の人はもう誰も信用ができない。今日、私はクラスメイトの誰とも喋らなかった。
私は自分の心を護るためにクラスメイトとは話さない。会話をして自分の心が傷つけられる可能性を減らす為に、私はクラスメイトの誰とも話したくはない。
私は心の中でそう呟いた。




