第二十六話
ある日の夕方、帰宅した私は自室で宿題をしていた。
突然、携帯電話が鳴り響いた。鳴動音がうるさいのは不快なので、一番静かな音を選んで音量も最小にしている。
電話はリオからだった。電話は私から掛けることがあまりない。どうしても緊急な時に仕方なく電話はするが、いつもはメールかチャットをするようにしている、相手の迷惑にならないように。
「カスミン、時間ある? 動画の事だけど」
「うん、どうしたの?」
「再生回数がまだ結構伸びてて、やっぱりカスミンのお陰で」
「私よりリオが面白かったからだよ」
電話越しのリオの声の高さから、私は何か良くないことが起きたのかと思った。
「最近、変なコメントが増えてきて……」
「えっ、そうなの?」
「カスミン……、何かした?」
「えぇーーー、何もしていないよ。何かって、私がコメント書いたりってこと? そんなのしていないよ」
「コメントにカスミンへの文句が多いの」
「私みたいなのは嫌われやすいから。清楚キャラが嫌われたのかも」
「ん~、雰囲気は悪くなかったと思うけど。今までカスミンへの文句は全く無かったのに、突然増えてきて。テストが終わったぐらいから急に、急によ」
「何だろう……」
私は思い当たる事があるかどうか、記憶を遡ってみた。
クラスで無視された事があったけど、でもそれはテスト前の事だから関係無いかも。
「まあ、他の友達と撮った動画も文句が多いから、そういうものなのかな。カスミンはあまり気にしないで」
「うん……」
「再生回数が多い動画とかって、他の投稿している知らない人から目をつけられて評価を下げられることもあるから」
「うん……」
電話の後、リオの投稿動画のコメントがやっぱり気になって、パソコンで見てみた。自分が傷つくことになっても仕方がない。原因が分かれば嫌なコメントを減らせるかもしれない。
コメントには“カスミン、キモい”、“カスミン、消えろ”、“カスミン、ブサイク”など様々な誹謗中傷の言葉が数えきれないぐらい並んでいた。知っている人の仕業かな……。原因を解決できるような書き込みは見つからなかった。何故、こんな酷い事を書くのだろう。どこまでも続いているコメントを見ていて、とても辛くなった。
こんな事になるのならリオの動画撮影に私が参加しなければよかった。私のせいで荒れてしまって、リオにはとても迷惑を掛けて申し訳ない気持ちで一杯になった。私は親友のリオに迷惑を掛けてしまった。もう私の事を嫌いになってしまったかもしれない……。
心が辛くて、もう死にたい気持ちになった。




