第二十五話
ある日の夕方、今日は塾のある日だから、自転車で二十分掛けて少し離れた進学塾まで向かっていた。週に二回ほど通っていて、科目は成績が伸びている英語と数学の二教科。
同じ学校の同学年の学生はだいたい駅前の大きな塾を選んでいて、私の選んだこの塾には同じ学校の同級生は誰もいない。
知っている人が居ない方が勉強に集中できるから。それに変に気を遣わなくても良いから。周りは友達同士で喋ったりしているけど、一人の方が楽で良い。寂しいなんて全く思わない。気を遣って喋ったりして疲れるよりも遥かに良い。
塾には友達を作りたいから入った訳ではなく、進学のため勉強したいから入った訳で、周りの不真面目な人たちは成績が上がらないだろうと思っている。友達と話す話題ばかり探して、勉強に身が入らないと思う。
ただ、授業で分からない部分があった場合、誰にも聞けないから困る時があるから、その時は授業後に先生に聞くようにしている。
もし友達がいると早く帰る事に気を遣って、先生に質問して分からない部分の解決があっても、時間が掛かって迷惑かけるから、まあいいかと諦めてしまい、結局分からないままになってしまう。
友達を作りたくないのに、お節介で話し掛けようとしてくる人がいて大変迷惑の時がある。話し掛けられたら仕方なく話すようにしているが、気を遣わないといけないのでとても嫌だった。
普段は話し掛けられないようなオーラを出しているつもりなのに、話し掛けてくるのは何故か男子生徒が多い。たぶん、空気が読めないのかなと思う。
塾のクラスの中で周りからは私は一人だけ浮いた存在だと思われているだろう。でも、私にとっては私一人で授業を受けている感じ。余計な事を考えなくても良いし、雑談を聞かなくても良い。それだけ友達を作らないとメリットの方が大きい。だから私はこの塾では友達を作らない。
友達なんてものは仲が良いのは一時的なもので、そのうち仲が悪くなって離れていき、友達ではなくなる。友達なんてそんなもの。
私は心の中でそう呟いた。




