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G海軍航空隊  作者: 自宅防衛隊
オレはGだ。
40/46

富嶽

どごぉぉぉぉんと言うジェット爆音と共に高高度爆撃機富嶽が飛ぶ。


「隊長、この富嶽って本当に凄いですね。」


「ああ、まさかこんな爆撃機を与えられるとは・・。」


野中五郎はしみじみと思った。

海軍に入って良かったと・・。

兄貴の四郎も陸軍を除隊して、今は空母の整備士官として勤めてる。

兄貴はもう少しでクーデターを起こす考えだったと入隊後聞いてた。

陸軍の腐敗は本当に惨いモノだったそうだ。

我が海軍も色々と腐ってたが、

G参謀の働きで士官「だけ」が出世できる腐った海軍から開放された。


おかげで我が部下も叩き上げの士官が増え、能無しの士官は皆無。

すべて兵から叩き上げたのだから当然だ。

腕も確か。

いい時代となったもんだ。

トドメがこの富嶽だ。

八発のジェットエンジンを装備。

最大速度:650mph(約1,000km/h 、マッハ0.86)

最大飛行高度は超高空の16000m与圧室装備。

前後左右上下には各20mm機銃を二門ずつ、合計12門装備。

すべて機械照準式。


全幅:56.0m

全長:48.0m

航続距離:約16,000km

最大搭載量:40t


まさに史上空前の巨大爆撃機だ。

今までの日本の国力ならこんな巨大爆撃機の開発や配備は不可能だったろう。

だがゼロ戦から始まった各国への武器輸出、並びに貿易で我が国の純資産は増加の一方。

おまけに陸軍の削減で国内生産力も倍増。

これにより、富嶽の開発も出来たのだ。


だが富嶽は国内ではなく、北方領土に作られた機密工場で作られてたのだ。

開発も配備も全て国民にも軍にも機密。

デビューして、戦後まで完璧に機密にされたのだ。

あたかも前史の大和、武蔵の如く。

全てが明かされるのは講和の後だ。

それまでは富嶽と特殊爆弾「桜花」は国民にも知らされない。

全ては敵に知られないための窮余の策だったのだ。

搭載した特殊爆弾桜花はレーダー照準式の必殺二トン爆弾。

投下したら最後。

確実に敵の中枢に命中させられる必殺爆弾だ。

そのためにも敵の手の届かない高高度を飛ぶ必要があったのだ。

照準機も特別式のレーダー式照準機だ。

戦後、各国に輸出され技術国家ニッポンと呼ばれる兵器の一つとなるのだが、

それは後の事。

出撃した富嶽は総計百機。

全て桜花を五機搭載してる。

つまり二トン爆弾を五発・・・。

この時代にはこの高度まで駆け上れる航空機は日本以外には存在しないので、

安心して照準が出きる。


「テメー等、間もなく敵艦上空だ。

いいか。これだけお膳立てして貰って一発でも外したら丸裸にして叩き落すからな。」


「「「「「合点承知。」」」」」


全航空機の機長から了解の合図があり各自与えられた座標の敵の掃射に向かう。



その頃・・・。



「な、何だ。あの巨大な航空機は・・。」


「分りません。我が軍の航空機では無い事は確実ですが、

高度が高すぎるため詳細が分りません。

恐らく一万は楽に越えております。」


「フィートではなく、メートルの一万か?」


「その通りです。」


「何とか叩き落す事は・・。」


「海軍の戦闘機は全てが低高度で戦うのを是として開発してあります。

そしてベアキャットは低空では万能ですが、最大飛行高度は一万が限界です。

一万を越えると機動もロクに出来なくなるのです。」


「むう・・。何とかならないのか?」


「開発を急がせなければ高高度戦闘機にも出来たでしょう。

ですが、ルーキーにも乗れる戦闘機として開発を急がせたのがガンでした。」


「ええい、構わぬ。

何とか叩き落せ。ベテランなら何とか出きるだろう。

至急選抜して上げろ。」


「アイアイサー。」


ニミッツの叱咤に拠り、十数人のベテランパイロットのみが選抜され、

高高度に向けて飛行を開始した。

だが・・。


「こちらオヘア。

間もなく敵の真下に到着予定。

現在高度一万一千メートル。

ラダーのオイル硬し。エンジンが息を付き始めてる。」


ベアキャットの限界高度に近くなってたのだ。

それでも敵は遥か上空。


「敵の高度は16000mは確実と思われる。

既に我が愛機は水平飛行も限界。

戦闘不能・・。

アレは・・、何だ??」


オヘアが呟きつつあるのは数機の富嶽が編隊を離れ戦闘機に向って降りて来たのだ。

そして・・・。


「敵の銃撃を受ける、我が機も被弾。

戦闘不能、脱出す・・・。」


最後まで言う事が出来ず、オヘアのベアキャットは爆発して霧散してしまった。


「オヘア、オヘア。応答せよ。オヘア・・。」


「無駄です。全て撃墜された様です。」


「クッ・・。せっかくのベテランが全て食われたか。

残されたルーキーでは上げるだけ無駄だな。」


「その通りです。それにしてもあの機はどうする気なのでしょうね。

降りて来る気配もありません。」


そう言う時に隣のアイオワが轟沈したのだ。

モンタナクラスの巨艦が・・。


それからは狩の時間だったらしい。

いかな巨艦、モンタナでもあの高度まで砲撃を行うのは不可能。

敵は単機になると各自爆撃を開始。

白く巨大な爆弾が我が艦隊に舞い降りて来るのだ。

アイオワに続き、ミズーリ、ニュージャージー、ウイスコンシン。

それぞれが一撃で轟沈された。

白く巨大な爆弾は正確に艦の中枢を照準してるらしい。

どうしたらあの高度から正確に爆撃されるのだ?

煙突とブリッジに正確に命中するのだ。

まるで人が乗って操縦してる如く。




だが我がモンタナもどうやら終わりらしい。

イヤな音を立てて、巨大な爆弾が飛行機雲を引きながら落ちて来たのだ。


「長官、このモンタナに敵を食わせてやりたかったですね。」


「ああ、だがもう終わりだ。

敵の爆弾は音の速さを越えて飛んで来るのだ。

悪かったな。

キミもモンタナと共に眠る事になりそうだ。」


「光栄です。長官・・。」


ニミッツは飲みかけのコーヒーをグイっと飲み干すと最後の瞬間を静かに待った。

そして・・。


ピカッ。。。

ちゅどぉぉぉぉぉぉん・・・。




彼等は塵となって消えた。

モンタナと共に。







「コチラ野中一番。

敵の巨大戦艦は全て轟沈。轟沈せり。」


「ご苦労だった。野中。

残りのO爆弾はどれ位あるか?」


「空母や巡洋艦を殲滅する程度は大丈夫です。

敵戦艦には各二発ずつ使用しました。」


「空母なら一発で充分だろう。任せる。

逃がすな。」


「了解です。聞いたか?

残り弾のある連中はじっくりと空母と巡洋艦を片付けろ。

いいか。これがアメの最後だ。

落ち着いて片付けろ。」


「「「「「合点」」」」」


それからは残敵掃射作戦でしか無かった。

慌てた空母艦隊は残ってた戦闘機を構わず上げたが、

周囲を警戒してた烈風に叩き落とされ全て壊滅。


そして一発ずつの桜花特殊爆弾の被爆に

三万トン程度のエセックスクラスや巡洋艦が耐えられる訳も無い。


ズドドドドォーーン。


高高度から舞い降り、音速を超える速度で迫る桜花はレーダーと赤外線の

二つで舵を操作。

まるで人が乗ってる如く突撃して来るのだ。

せいぜい六百キロを想定してた機銃や砲撃が当たる訳も無い。

巨大な爆弾が命中すると同時に竜骨を圧し折られ、

空母や巡洋艦はモンタナや先の海戦の戦友の元へと沈んで行く。


やがて全ての巨艦が眠りについた頃。


富嶽は桜花を使い果たしたのか、硫黄島を経て千島列島の機密基地へと帰還を始めた。

残されたのは駆逐艦程度・・。

だがそれも爆撃機型の烈風に拠り全て撃沈。

グアム沖はアメリカ海軍の埋葬場となってしまったのだ。







「終わった・・な。」


「ハイ、長官。残敵は全て撃沈。

残された艦は一隻もありません。」


「いかなアメリカでもこの敗戦は無視出来ないだろう。

早速講和の手配をするべきだ。

もし無視するなら・・。」


「富嶽が敵の本土を・・。」


「皆まで言うな。」










こうしてアメリカ合衆国海軍は滅びました。


二度の海戦の敗北で、

アメリカ海軍は下は兵士から上は長官クラスまで壊滅。

残されたのは陸軍のみ。

その陸軍もパイロットは大半が戦死。

マッカーサーもルメイもグアム沖の巡洋艦ナッシュビルに乗艦してて戦死したとか・・。

さずかのアメリカ国民もあまりの戦死者に国民の怒りが爆発。

ルーズベルトは心臓麻痺を起こし死去。

時に1944年4月12日。

実史よりも一年も早い死去でした。


副大統領ハリー・S・トルーマンが大統領に昇格就任。

即刻、日本帝國との講和を催促。

日本はアメリカとの講和に入ったのです。




ようやく講和です。

アメリカとの戦いは終わりましたが、ソ連とシナが残っています。

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