カモネギ艦隊
小沢艦隊がカモネギとして戦います。
前哨戦は我々の負けだった。
いかな新鋭機でも、我が軍のボーイズはすべてルーキー。
指揮官さえもルーキーだ。
これでは勝つのは難しいだろう。
だが十機程度の損害は与える事が出来たらしい。
指揮官となったオヘアからの報告を信じれば・・だが。
まあ良い。
次は我々の出番だ。
いかな艦隊と言えども我がモンタナクラスに適う戦艦は世界に存在しない。
この50センチ主砲の業火に焼かれるのを楽しみに待ってろ。
ジャップめ・・・。
小沢艦隊とニミッツ艦隊は刻々と接近しつつあった・・・が・・。
「どうなってるのだ?
敵は我が艦隊に接近すると射程ギリギリで逃げておる。
このモンタナの射程に入れば敵は仕留める事が出きるのに。
逃げるな。オザワ。」
ニミッツはギリギリの射程距離までは接近してる小沢艦隊に毒づいてた。
「フフフフ・・。
ニミッツめ。
イライラしてるだろう。
その調子だ。どんどんイラつけ。
冷静さを喪った時にお前等は敗北を知るのだ。
艦長、間違っても敵に懐に入られるな。
接近する駆逐艦や巡洋艦程度は仕留めろ。」
「長官、任せてください。
各艦の艦長も同じ気持ちです。」
「ウム。この間隔を保つ事が本海戦の最大の作戦だ。
間違っても敵と打ち合う射程距離には入るな。
モンタナは大和を越える巨艦だ。」
「アレを喪った時が・・。」
「さすがのアメリカもダメージから抜けるのは不可能だろう。
何よりも国民が戦争継続を許さぬ。
最大の敵は国民の世論だからな。アメリカは。」
「ルーズベルトも心筋梗塞を起こすでしょうね。」
「もう忌電の準備は済んでるよ。」
「「フフフフフフフフ・・・。」」
小沢艦隊の作戦は「****機」の到着時間まで戦機を引き伸ばす事だった。
機密機こそが、本海戦のフィナーレとなるのだ。
戦艦の役目は既に終わってたのだ。
あるのはカモネギとしての役目のみ。
小沢は幕僚幹部とクケケケケと笑いあってたのだ。
頭に来たのか射程外にも関わらずモンタナは砲撃を開始してた。
「やはり敵の主砲は旧大和を越える・・。」
「ウム、50サンチはあるだろう。
船体も八万は越えてると思う。」
「相当のムリをしてますね。」
「いかなアメリカでもモンタナを喪ったら世論が沸くだろうな。」
「愚かな島の奪い合いよりも確実に講和に近づけますね。」
「ウム・・。もうそろそろ例の機も到着する頃だろう・・。」
「来たようです。」
遥か上空・・。
恐らく一万五千メートルはあるだろう。
巨大な航空機が飛行機雲を引きながら、アメリカ艦隊へと近づいてたのだ。
その航空機を率いるのは・・。
「コチラ野中一番。
間もなく戦場へ突入する。
長官、宜しいでしょうか?」
「コチラ小沢、野中五郎。すべては貴君達の活躍にかかってる。
皇国の勝敗は君達のモノだ。」
「了解です。
野郎共、聞いたか?
この戦いはオレ達がすべてを担ってる。
敵に逃げ場は無い。
すべてがオレ達の照準にかかってる。
一発も外すんじゃネーぞ。」
「「「「「合点承知。」」」」」
そう・・。
この野中五郎少佐が率いる「富嶽」部隊こそが本海戦の主役。
真打だったのだ。
最初から「富嶽」を出してたら、敵は逃げてしまうと考え、
戦闘機や戦艦で敵を誘導。
そして富嶽の必殺兵器、「****」で戦艦を破壊、撃破するのが目的だったのだ。
富嶽は日本初の実用ジェット爆撃機として登場。
戦後七十年を経ても東南アジア最強の戦略爆撃機として活躍してる世界一の名機となったのだ。
「な、何だ??
アレは・・・。」
「巨大な爆撃機みたいですね。
高度は恐らく一万は楽に越えています。
我が軍が試作してる機密爆撃機よりも巨大かも知れません。」
「あの高度から爆撃しても命中する訳が無いが、一応回避運動はさせておけ。」
「アイアイサー。」
ニミッツは不安は覚えたが、今は目前の戦艦だ。
爆撃するにしてもあの高度から爆撃される事はありえない。
そう考え、砲撃に専念を始めた。
その直後。
隣を走ってた「アイオワ」がメキメキメキメキと言う竜骨の折れる音と轟音を立てて・・。
爆沈したのだ。
「ど、どうしたのだ?「アイオワ」は・・。」
ニミッツ艦隊崩壊の悲劇が始まった。
富嶽が登場しました。
実史のB52と同型と思ってください。




